内容説明
アイゼンハワー政権による軍備管理交渉については、従来あくまで米ソの問題と考えられてきたが、一次史料の綿密な調査により、それに留まらない性格が明らかになった。アメリカは、交渉に積極的な姿勢を示すことで西側陣営の結束を図るとともに、交渉が成功すれば西ドイツの核兵器開発を阻止できると期待していたのである。本書では、「同盟」政策としての軍備管理交渉を解明するために、軍備管理交渉と対西ドイツ政策との「連関」に焦点を当てる。
目次
序章 軍備管理交渉と西ドイツの「封じ込め」
第1章 アイゼンハワー政権初期の軍備管理政策―「広報活動」としての交渉、一九五三~一九五六
第2章 軍備管理交渉の挫折と対西ドイツ政策―「外交に携わるものが犯しうる、もっとも馬鹿げたこと」、一九五六~一九五七
第3章 核実験禁止条約交渉と米欧関係―「日本、西ドイツ、英国を失うかもしれない」、一九五七~一九五八
第4章 西ドイツによる核兵器開発の不安―米ソの「重要な共通基盤」としての核兵器拡散問題、一九五五~一九五八
第5章 第二次ベルリン危機と軍備管理政策―「西ドイツと西側のつながりを何としてでも保持する」、一九五八~一九六〇
終章 対西側政策としての東西軍備管理交渉
著者等紹介
倉科一希[クラシナイツキ]
1971年千葉県生まれ。2004年ニュージャージー州立ラトガース大学ニューブランズウィック校大学院博士課程修了。Ph.D.(歴史学)取得。現在、国際教養大学国際教養学部助教(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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