内容説明
ハンナ・アーレントに影響を与えた強き女の自叙伝。
目次
第1章 悲劇の幕開け
第2章 永遠の断罪を受けたひとたち
第3章 シベリアの日常
第4章 不安と期待のはざまに揺れて
第5章 引渡し
第6章 ラーヴェンスブリュック
第7章 破滅の淵
第8章 死者と生存者
第9章 自由の贈り物
第10章 帰郷
著者等紹介
ブーバー=ノイマン,マルガレーテ[ブーバーノイマン,マルガレーテ][Buber‐Neumann,Margarete]
1901年、ポツダム生まれ。著名な宗教哲学者マルティン・ブーバーの息子、ラーファエル・ブーバーとの最初の結婚のあと、ドイツ共産党員としての活動中にコミンテルン幹部ハインツ・ノイマンと知り合う。1935年、派遣されたスペインから二人して政治的誤謬を理由にモスクワに召還される。ノイマンは1937年に逮捕、そして粛清される。翌年、マルガレーテも逮捕され、カザフスタンのカラガンダ強制収容所へ送られる。1940年、ヒットラー・スターリン協定にもとづき、ナチス・ゲシュタポに引き渡され、ラーヴェンスブリュック女子強制収容所へ送られる。1945年、収容所から解放され、戦後は政治評論家として活躍。1989年11月歿
林晶[ハヤシアキラ]
1948年鹿児島県生まれ。1983年大阪市立大学大学院文学研究科修士課程修了。現在、同志社大学嘱託講師。専攻、ドイツ文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Arte
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ソ連に亡命したドイツ共産党員の著者は粛清に遭って強制収容所入り。その後ドイツとソ連の秘密条約によりドイツに引き渡されて、ナチの強制収容所入り、という散々な経歴を綴った本。ソ連の収容所の話は『収容所群島』と似たような内容だが、ナチの収容所はユダヤ人達の体験とは違い、食事もソ連より良く、ドイツ的超几帳面さに溢れた世界。ただ戦争末期になると絶滅収容所に送られる可能性もあったり。エホバの証人も入れられていたのね。当時ソ連の収容所は知られていなかったため、この本が48年に出版された時も周囲から非難があったとか。2013/07/26