出版社内容情報
明治元年、北へ去った幕軍残党を追う官軍の艦船を、逆に宮古沖で幕軍艦隊が襲撃した。激動期の秘話を綿密な取材でたどる歴史小説
内容説明
新政府にあくまで抵抗して箱館に立てこもった榎本武揚の率いる旧幕府軍は、当初、海軍力において政府軍を圧倒していた。が、幕軍が旗鑑「開陽」を海難で失ったのに対して、政府が最新鋭鑑「甲鉄」を手に入れたので、彼我の力は大きく逆転してしまった。そこで、北上してくる政府軍鑑隊を途中で奇襲し、「甲鉄」に斬り込んで奪っていまおうという大胆な作戦に出た。フランス士官の指導を受けきびしい訓練をつんだ兵を乗せて、幕軍鑑隊「回天」「高雄」「蟠龍」は、深夜ひそかに箱館湾をすべり出た…。歴史の秘められた事実を掘り起し、充実した筆致で描いた会心の長篇歴史小説。