出版社内容情報
フィクションの魅力を読み解く批評的演戯。
内容説明
フィクションの魅力を読み解く批評的演戯の書。ナボコフ、シェイクスピア、日本の現代小説などをとおし、文学の指し示す“虚=実”が、いかに私たちの日々の“生”の奥行を照らしだすか、自在なスタイルで語る。
目次
プロローグ―あまりに比喩的な
1 虚言の愉しみ―ナボコフに倣って(ナボコフの文学教室から;記憶よ、騙れ ほか)
2 読むことの体感―触知する言葉(“読み”の空隙;なぜバーナムの森は動いたのか―マクベスと植物と ほか)
3 余白の思考―反人生処方として(退屈、または凡流の中に落ち合う景色;食べる、または夢の饗応に勝るもの ほか)
4 日常の臨界―あまりに人間的な(“家族”の幻景;悲劇的なるものの隘路 ほか)
5 午睡の前に―終わりを夢見て(マンソンジュ氏の日本滞在―忘却のためのサプリメント)
著者等紹介
中村邦生[ナカムラクニオ]
1946年東京生まれ。立教大学大学院修了(英米文学専攻)。現在、大東文化大学文学部教授、作家。1993年小説「冗談関係のメモリアル」で第77回『文学界』(文芸春秋)新人賞受賞
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