近代日本経済史の基本問題

川崎 隆三【著】

ミネルヴァ書房（1989/04発売）

• サイズ A5判／ページ数 285,／高さ 22X16cm
• 商品コード 9784623018918
• NDC分類 332.106
• Cコード C3033

出版社内容情報

【内容】
つねに新しい問題提起でもって学界をリードしつづけてきた著者の初めての体系的な日本資本主義史論。戦前・戦後の研究史を跡づけながら，天皇制・地主制論を軸に日本資本主義像の再編成をめざす刺激的論集。

【目次】
第一章　「講座派」理論の批判的継承のための序説

第二章　天皇制国家論の方法論
一　旧来の天皇制国家論のアポリア
二　アポリア脱却のための模索――「上からのブルジョア革命」論――
三　天皇制国家論の方法論の確立――国家形態と国家の階級的性質の区別――
四　天皇制国家の国家形態と階級的性質

第三章　地主制論への歴史的接近
一　近代地主制の歴史的性格
二　近世における形成過程の地主制
三　地主制の本質――都市周辺農村の事例よりの接近――

第四章　『日本資本主義分析』の方法とその批判史
一　『日本資本主義分析』の方法
二　『分析』の方法にたいする諸批判
三　若干の結論

第五章　戦前・戦後の日本資本主義像
一　戦前日本資本主義の「入超＝外資依存構造」
二　戦前・戦後の媒介環としての戦時段階
三　戦後高度成長過程における「出超＝資本輸出構造」への転化

内容説明

戦間期日本資本主義論に一石を投じた著者が、日本経済の高度成長のなかで忘れられようとしていた「日本資本主義論争」に現代的な照明をあて、「講座派」理論の批判的継承をつうじて、天皇制論・地主制論・資本主義論の総合的理解のもとに、新しい歴史像をえがこうとした注目の論集。

目次

第１章　「講座派」理論の批判的継承のための序説（「講座派」理論の形成；「講座派」理論の基本的性格；「講座派」理論の構造とその問題点）
第２章　天皇制国家論の方法論（旧来の天皇制国家論のアポリア；アポリア脱却のための模索―「上からのブルジョア革命」論；天皇制国家論の方法論の確立―国家形態と国家の階級的性質の区別；天皇制国家の国家形態と階級的性質）
第３章　地主制論への歴史的接近（近代地主制の歴史的性格；近世における形成過程の地主制；地主制の本質―都市周辺農村の事例よりの接近）
第４章　『日本資本主義分析』の方法とその批判史（『日本資本主義分析』の方法；『分析』の方法にたいする諸批判；若干の結論）
第５章　戦前・戦後の日本資本主義像（戦前日本資本主義の「入超＝外資依存構造」；戦前・戦後の媒介環としての戦時段階；戦後高度成長過程における「出超＝資本輸出構造」への転化）

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[ステビア]

国家形態と国家の階級的性質の区別。近代日本は絶対主義的・専制的国家機構をもつブルジョア国家。『日本資本主義分析』、講座派、宇野学派を、1930年代以降の日本資本主義の質的変化を見なかったとして批判し、代わりに入超から出超への構造変化という図式を提案している。

2024/06/05