出版社内容情報
【内容】
法の妥当ないし効力の根拠を問うことは，法哲学固有の根本問題とされ，従来多くの法哲学者により論じられてきた｡本書はこのテーマ領域に属し，現象学や存在論，解釈学の新しい動向を援用しながら新しい方向を拓いている｡
【目次】
序論 「法とは何か」が問うもの
――規約定義から事物定義へ――
第一章 法における存在と当為
――エールリッヒとケルゼンの論争――
第一節 エールリッヒにおける法規と法規範
第二節 ケルゼンによる批判
第三節 法律学における二つの学科
第四節 存在と当為をめぐる対立
第五節 法概念における「存在」と「当為」
第二章 法的妥当の概念の二類型
――従来の理論の批判的考察――
第一節 法の概念と法的妥当の概念
第二節 事実的妥当の二つの概念類型
第三節 事実的妥当と規範的妥当
第四節 法的妥当の概念類型論
第三章 存在論的妥当概念
第一節 方法一元論と方法二元論
第二節 事実的妥当論のひとつの発展形態
――ニクラス・ルーマンの法的妥当概念(1)――
第三節 機能主義の変貌とその限界
――ニクラス・ルーマンの法的妥当概念(2)――
第四節 存在論による妥当概念
終章 概括と展望
