台湾、あるいは孤立無援の島の思想―民主主義とナショナリズムのディレンマを越えて

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台湾、あるいは孤立無援の島の思想―民主主義とナショナリズムのディレンマを越えて

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  • サイズ 46判/ページ数 452p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784622089742
  • NDC分類 311.04
  • Cコード C0036

出版社内容情報

台湾は近代以降、清、日本、中華民国、アメリカという複数の帝国による連続的な支配を受け、またその複雑な民族構造のために統一的なナショナリズムや共通の歴史認識の形成を阻まれてきた。台湾の主体化を達成すべく、人々は歴史を紐解き、過去の国家暴力や不正義をただして内部的な分断を乗り越えることを通じて民主化を推し進め、生存空間を共にする者たちの同盟としての「台湾民族」と、多元・民主・平等に基づいて同盟を強化するためのイデオロギーとしての「台湾ナショナリズム」を志向した。しかしそうした内部的な努力にもかかわらず、国際社会においては、主権国家体制からの排除や、新興の中国を含む諸帝国の狭間にあるという地政学的構造に起因する現実政治の桎梏を自力で克服することはできず、その命運はいまなお強権によって掌握されている。
台湾の市民社会はそうした賤民(パーリア)的境遇を自覚的に引き受け、新たな帝国と資本主義による支配に対抗することを通じて逆説的に民主主義を深化させた。そしていまや普遍的価値を台湾社会に体現することに世界への回帰の道を見出し、行動している。

政治学者による20年におよぶ思想的格闘の集成。

内容説明

構造的に“賎民”であることを強いられてきた台湾。多元・民主・平等に基づくナショナリズムを梃子として孤立無援の境遇からの脱出を探る、持続的思索の集成。

目次

序 幸福な島にて
1 窮境を脱するために―歴史のヴェールをはがす
2 窮境に嵌まりこむ―帝国の狭間で
3‐1 再び、窮境を脱するために―ニーチェ的カント主義者の夢想
3‐2 再び、窮境を脱するために―社会的意志の創造
付録

著者等紹介

呉叡人[ゴエイジン]
1962年、台湾桃園生まれ。台湾大学政治系卒。シカゴ大学政治学博士。現職は中央研究院台湾史研究所副研究員

駒込武[コマゴメタケシ]
東京都駒込生まれ。東京大学教育学部卒。教育学博士(東京大学)。現職は京都大学大学院教育学研究科教授。専攻は植民地教育史、台湾近現代史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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ばたやん@かみがた

92
これは手強い。20余年にわたり、自国と東アジアの現状を材料として思索を重ねて来た政治学者の思想的格闘を集大成したと言うのですから。しかし、浅学な私にも部分部分で得心できた所もあります。順に見て参りましょう。/①元々、原住民(先住民のこと。「元からいる人々」の意で、台湾では原住民が誇りを持って自らこう称することに注意)に加え、数次に亘る漢族の移住、日本と国民党による軍事的征服などにより、台湾では民族とは本質的なものではなく、それら異なる出自持つ人々が争い和し、相互信頼関係を築き共通体験とする中で(1/5)2021/07/25

BLACK無糖好き

19
図書館での予約が途切れることなく入り続け貸出可能になるまで予想以上に時間を要した。読み終えた今、十分に納得。◇台湾の思想研究者による論集。永遠の足枷。帝国の狭間。ふわっとしたものを言語化する能力に感銘を受ける。植民地支配の歴史の重層構造と、歴史をどう記憶するかの論考は特に日台関係において重要な部分。在日台湾独立運動家らによる「植民地肯定論」の宣伝効果についての指摘は重いものがある。◆台湾に関する言説は周囲の大国の視線からのものが主流になりがちだが、台湾内部の苦悩の声にもっと耳を傾けるべきなのだろう。2022/07/24

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