内容説明
定年後のささやかな暮らしのなかで、見たり、聞いたり、感じたり、思い出したり…50歳をすぎてから軽妙洒脱な随筆家として現われた著者円熟のエッセイ17篇。
目次
自由への道
ウナギと美顔ブラシ
定年の敵
銀座のネオン
シラムレンの涙
土曜の午後…
クレオパトラの鼻
アンバランス
サラリーマンの椅子
月月火水木金金
さみしいネコ
お辞儀と敬礼
トインビーのズボン
よせばいいのに
空きびん人生
心の旅路
胃袋の話
著者等紹介
早川良一郎[ハヤカワリョウイチロウ]
1919年3月3日、東京生まれ。麻布小学校から麻布中学校へ。中途でロンドン大学に遊学。日本大学文学部仏文科卒業。海洋少年団本部を経て、経団連事務局に勤める。1979年定年退職。『A STUDY OF SMOKING』(199部限定私家版、のちに『けむりのゆくえ』と改題)で第22回日本エッセイスト・クラブ賞受賞。1991年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
蘭奢待
37
軽妙洒脱でどこか飄々としたエッセイ。パイプタバコの楽しみと、定年後の愉しみを綴る。 (追記)かなり以前、タバコを吸っていた頃。映画のタバコに火を付けるシーンに憧れてマッチをよく使っていた。ブックマッチをカッコよく使うワザもマスターした。当時TV放送していたコンバット。GIスタイルでシワシワのタバコにジッポで火を付けるのに憧れて、ジッポを買っては失くすことを繰り返した。探偵物語で松田優作が特大の火力の使い捨てライターでタバコに火を付けるのにかっこよさを感じ真似をした。禁煙後、身近に火がなくなったのが寂しい。2018/08/26
ミッチ
10
1980年の定年の状況は今とかなり違うということがよ~く分かった。まず経済力である。当時は60歳定年でまず退職金の金利と厚生年金で悠に暮らせたという事実にはビックリ! 一言申し添えますと、これから定年を(65歳?)を迎える方には、参考にはなりませんよ。昔は良かったな~と郷愁に耽る人にはうってつけかも(^-^)/2019/06/27
ぱせり
9
読んでいるうちに、よい気をいっぱいいただいたような気がして、わたしの気持ちも裕福になってきます。時には細かいことも言いますが、ゆったり、しずしずと、暮らしていきたいものです。2011/02/22
Naoko Takemoto
2
池内紀先生のファンで、翻訳よりエッセイを読んでいる。(読書メーターに登録していないけど)先日、池内先生のみすず主催の講演会に行き、このシリーズの存在を知った。そろそろ定年とか、余生のことを考えていい年になったのかもと思い手に取り、なかなかよろしい。定年後、銀座に出勤(笑)するような粋な人生を歩みたい。2016/01/02
mamoru
0
もらい本。脱力して読める。昔の本だからちょいちょい差別的な表現はあるが、まあ問題ないレベル。無位無冠てのはいい表現だな。40代でヒラでも、こうして本が出せている。人生どこで花開くかわからない。2021/09/11