出版社内容情報
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美しく編まれた書物のなかで、言葉と人格に導かれながら旅をするくらい愉快なことがあるだろうか。若く、快活で繊細で物識りの、皮肉屋のスティヴンスンと、「一種のロールパンかソーセイジといった」様子に見えるスリーピング・バッグ、それに「鼠色の優しい眼と決断力の強そうな下顎をもった小柄の」「小ざっぱりとした、お上品な、普連土教徒風の優雅さ」のある牝驢馬モデスチン。私はそこに加わって、十二日間の旅をした。(江國香織「解説」より)
「宝島」などでしられるR・L・スティヴンスンは二十八歳の秋、ちいさな驢馬をつれて、南仏の山々を抜ける旅に出た。いささか厄介な同伴者に、悪路、悪天、たまさかに訪れる思いもかけない喜び。まるで人生そのもののようなこの旅行記を、こよなく愛した小沼丹の名訳が半世紀振りに甦った。スティヴンスンと同じ歩調で旅しているかのような翻訳に、恰好の案内人、江國香織が加わりさらに贅沢な旅に。
同時収録の短編「ギタア異聞」は宿を締め出された旅芸人夫婦の一夜を描いた、しみじみとした味わいのある佳品。小沼丹が1948年に手がけた幻の翻訳を発掘した。
内容説明
美しく編まれた書物のなかで、言葉と人格に導かれながら旅をするくらい愉快なことがあるだろうか。若く、快活で繊細で物識りの、皮肉屋のスティヴンスンと、「一種のロールパンかソーセイジといった」様子に見えるスリーピング・バッグ、それに「鼠色の優しい眼と決断力の強そうな下顎をもった小柄の」「小ざっぱりとした、お上品な、普連土教徒風の優雅さ」のある牝驢馬モデスチン。私はそこに加わって、十二日間の旅をした。1878年秋、28歳のスティヴンスンはちいさな驢馬をつれ、南仏の山々を抜ける旅に出た。生きる歓びに満ちた、この愛すべき旅行記の名訳が半世紀ぶりに甦る。同時収録「ギタア異聞」。
目次
旅は驢馬をつれて
ヴレェ
ジェヴォダン
雪の聖マリア
カミザールの国
ギタア異聞
著者等紹介
スティヴンスン,R.L.[スティヴンスン,R.L.][Stevenson,Robert Louis]
1850年スコットランドのエディンバラに生まれる。生来病弱で学校も休みがちだったという。はじめエディンバラ大学で工学を学んだが学位取得には至らなかった。その後、法律家となったが長く続けることなく、ヨーロッパ各地を旅しながら文筆をこころざす。1879年に渡米、フェニー・オズボーンと結婚ののち、療養のためヨーロッパ各地を転々とする。1890年サモア島に移住し、1894年その地で没した
小沼丹[オヌマタン]
1918年東京に生まれる。作家、英文学者。1942年早稲田大学文学部英文科卒業。中学教諭、早稲田大学講師を経て、1958年より同大文学部教授。学生時代より井伏鱒二に師事。1996年没
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