出版社内容情報
「ローベルト・ヴァルザーは散文によるパウル・クレーだ。クレー同様に繊細で神経質だ、彼はまた心やさしいベケットだ、さらにはカフカとクライストの間のミッシング・リンクだ。」(スーザン・ソンタグ)
20世紀文学において特異な位置を占めるスイスの作家ヴァルザーは、ベンヤミンが、ブランショが高く評価しながらも、再発見はカフカよりずっと遅れた。カフカの「天井桟敷で」のもとになった散文小品「喝采」をはじめ、兄カールの挿絵全点を収めた『詩篇』の全訳,やはりカールのおそろしく現代的な絵に付された小品などの初訳を含む、ベスト版一巻選集。
《大人の本棚》シリーズ
Robert Walser(R.ヴァルザー)
1878-1956。 スイスのドイツ語詩人・作家。邦訳作品に『白雪姫』(新本史斉訳、『現代スイス文学三人集』所収、行路社)「拍手喝采」「散歩」(丸山匠訳、『現代ドイツ現代小説』所収,白水社)『ヤーコプ・フォン・グンテン』(藤川芳朗訳、『世界文学全集74 カフカ ヴァルザー』所収、集英社)散文小品を多数収録した『ヴァルザーの小さな世界』(飯吉光夫編訳,筑摩叢書)など。
飯吉光夫(いいよし・みつお)編訳
1935年旧満州奉天生まれ。1959年東京大学独文科卒業。1962年同大学院修了。1973-1974年、ベルリン、パリに滞在。元東京都立大学教授。著書『パウル・ツェラン』(小澤書店)『傷ついた記憶』(筑摩書房)など。訳書 ツェラン『迫る光』(思潮社)『パウル・ツェラン詩集』(小澤書店)『ことばの格子』(書肆山田)『糸の太陽たち』(ビブロス)、ツェラン/ザックス『往復書簡』(ビブロス)『ギュンター・グラス詩集』(小澤書店)アンドレアス=フリードリヒ『舞台・ベルリン』(朝日新聞社)など。
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