内容説明
化学兵器廃絶問題の第一人者が一次資料の博捜と関係者への調査により克明にしるす、戦慄の歴史。戦争の20世紀を識るための補助線を示すとともに、今世紀における新たな恐怖と全廃への希望を説く。
目次
生剤訓練
戦争の化学
イーゲー・ファルベン
邪悪な科学
神々のたそがれ
略奪合戦
開発研究
増大する備蓄量
化学兵器競争
有毒剤
北イエメン内戦とその後
スカル・ヴァレーでの事故
新たな恐怖
二種混合型の開発論争
静かな広がり
平和と戦争
内部告発者
東京の地下鉄で
新たな脅威
廃棄に向けて
著者等紹介
タッカー,ジョナサン・B.[タッカー,ジョナサンB.][Tucker,Jonathan B.]
1954年米国ボストン生まれ。イェール大学にて生物学学士、MITにて政治学博士取得(国防と軍備管理専攻)。国務省、連邦議会の軍備管理専門家、1995年のイラクへの国連査察団メンバーを経て1996年、モントレー国際問題研究所・不拡散研究センターにおいて生物化学兵器不拡散プログラムを設立。現在、同研究所の上級研究員
内山常雄[ウチヤマツネオ]
1950年神奈川県生れ。科学警察研究所附属鑑定所主任研究官。東京工業大学工学部機械工学科卒。科学警察研究所では発射痕鑑定を担当し、多くの未解決事件の現場弾丸類と発射拳銃との関係を明らかにしてきた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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スカイバニラ
3
読みやすくて解りやすい神経ガスにまつわる本でした。第2次大戦末期、赤軍が侵攻してくる前に神経ガス製造施設の洗浄と除染を実施するドイツの特殊部隊の話。戦後党からの規制が厳格すぎて、外国製機械を輸入する事が困難となり、自国の信頼性の低い工作機械しか使用できず神経ガスの開発に苦労したソ連。そのソ連を欺く為、偽の(技術的ハードルの高い)技術報告書をスパイに流したが、逆に自国が出来なかった技術躍進を遂げさせてしまった米国。そんな各国の神経ガスの開発、事故、戦争に使用された状況などが詳細に綴られています。2008/11/08
plaxma_y
0
翻訳では元死刑囚の名前が「土屋正美」となっていますが正しくは「土谷正実」です。2018/11/01