出版社内容情報
中東の近現代史にきわめて重要な存在感を出す、カイロ大学を分析、紹介する1冊。
内容説明
アフガニスタン帰りの寮生、留置所内期末テスト、エジプト革命の火種はハシシ!?単位取得は交渉にあり!眠らない街カイロの昼寝文化…etc.乱世を生き残る徹底的な実学がそこにある!笑えて!泣ける!熱き学生達の物語。
目次
序章 世界一刺激的な都市―カイロ
第1章 カイロ流交渉術の極意
第2章 世界最強の大学―カイロ大学
第3章 カイロ大学―混乱と闘争の源流
第4章 カイロ大建学者思想の申し子たち―ターハ、バンナ、ナセル、クトゥブ
第5章 カイロ大学―政治闘争と思想輸出の前線基地
第6章 カイロ大学留学のススメ
第7章 カイロ大学留学体験記
著者等紹介
浅川芳裕[アサカワヨシヒロ]
1974年、山口県生まれ。ジャーナリスト。エジプトの私立カイロアメリカン大学中東研究学部、国立カイロ大学文学部セム語専科で学ぶ。アラブ諸国との版権ビジネス、ソニー中東市場専門官(ドバイ、モロッコなど)、『農業経営者』副編集長などを経て、『農業ビジネス』編集長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Aya Murakami
57
いやいや…。世界にはこんなエネルギッシュな大学があるのですね。 フォロー中のツイッターユーザーさんの紹介で読みました。2017/12/26
ヨータン
15
かなり精神的にも肉体的にもタフじゃないとやっていけないわ、この大学。でもエジプトって、投獄されても留置所で試験が受けれるんですね。2018/09/29
太田青磁
8
カイロ大学の学風はまさに「闘争」と「混乱」・乱世に強いというより、世を混乱に陥れた人物をたくさん排出しています・カイロ大学に入学する正規のルートはありません。「入れてくれ」と直談判することです・カイロでは勾留された学生が試験を受けるための制度があります・歴代出身者の中で、闘争の精神を身を持って体現した人物は、アラファトとフセインとザワヒリ(アルカイーダ指導者)・カイロ大学の建学にかかわった代表的な人物だけでも8人・思想闘争は、カイロ大学を頂点としたアラブ世界の教育・大学・OBネットワークを通じて拡散された2020/07/04
がんぞ
5
「世界で最も(騒音が)うるさい不眠都市」カイロにあるカイロ大学は世界最強(最凶悪)で、サダム・フセイン、アラファト議長、アイマン・ザワヒリ(アルカイダの指導者)に比すれば小池百合子など小者/建学の精神源流は6人に分担される、エジプトナショナリズムとイスラム原理主義とアフリカアイデンティティーと女性解放運動が入り交じっている。「エジプト革命」後できた強権政府が学内世論を弾圧しようとしているが、「平和は忍従にすぎない、闘争こそ人生」の基本精神で、西欧型知識人に対抗する人材として卒業生はアラブ各国で引く手あまた2023/03/21
onoonooonon
4
今年に入って読んだ本の中で一番面白かった。読んでいると多動の血が疼くが、相応の中身や努力が伴わないと「即断即決」も色褪せるなという気持ちに。カイロ大学建学に伴って巻き起こる、エジプト国民のアイデンティティを巡る思想闘争、めちゃくちゃ面白い。筆者の行動力が日本の高校生のものとは思えない。県民性というものをそこまで信じているわけではないが、山口県出身…なるほど、とは思った(本人も長州の血だと記しているし)。読むとシャキッとするし、まだ理解の及ばない箇所も多いので再読したい。2020/06/01