出版社内容情報
4年の外国暮しを終え、大地ロシアに戻る。「悪霊」「カラマーゾフの兄弟」等、晩年期の横顔。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
山口透析鉄
22
ルーレット狂いのエピソード等も印象に強いです。 夫は自分の作品には非常に厳しかったものの、カラマーゾフの兄弟に関しては、幾つかの章についてはかなり満足のいく出来になったともいっていたようで、おそらく大審問官とかがその一例だったのでしょう。 子どもの怪我で藪医者に当たって酷い目に遭いかけたりとか、割と等身大のエピソードも豊富で、読み物としても資料としてもかなり良かったです。痔持ちだったとか、妙なことが書かれていたり。 やはり私もカラマーゾフの兄弟の第2部は書いてもらいたかったです。
ココマ
8
妻の目線によってドストエフスキーの日常が細かく記録されている。夫婦で多難の人生であるが夫が作家として存命中に頂点に登ったのは幸いであった。壇上に立つ夫に熱烈に拍手を送った文筆家達が翌日には酷評をし、死後も中傷がまかれた事もあったが知恵で対処していくアンナ夫人の賢さと名助手ぶりに読者は感嘆するしかない。夫人が一見幸福そうなトルストイに嫉妬したり、女学校で罪と罰を朗読する夫などお茶目な場面も多々ある事も本書の魅力である。荷物持って押しかける激烈ファン女性まで記載されていて夫人のユーモア精神が伝わってきた。 2019/03/21
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