出版社内容情報
2025年は「昭和100年」です。すでにいくつかの新聞や雑誌で特集が組まれ、「昭和100年」と銘打ったムックや書籍が出ています。宝島社でも、昭和関連の書籍やムックを多く出していますが、特に他の出版社に先駆けて、昭和の謎や闇に隠れた人物たちを掘り下げる出版物に取り組んできました。そのなかでも、圧倒的なニーズが日本の右翼と左翼です。この文庫は、これまでに文庫や書籍、別冊宝島で刊行した「右翼と左翼」関連の本を下敷きにし、現在版として改訂した一冊です。昭和の右翼と左翼の決定版です。
内容説明
2025年は昭和100年にあたる。その昭和は思想的対立で右翼と左翼に大きく分かれていた。昭和の終わりとともにソ連が崩壊し、マルクス主義は地に落ちたが、それでも世界中で貧富の差は非常に激しくなっている。しかし日本の左翼はいつの間にか左巻きに変わり、彼らの課題はLGBTQと環境問題に矮小化されてしまった。昭和の時代、多くの若者たちは右と左に分かれつつも夢を追いかけ命を懸けていた。本物の右翼と左翼とは何だったのか。
目次
第1章 日本の右翼(右翼とはいったい何なのか;右翼を知るためのキーワード;右翼運動の歴史;おもな右翼団体の流れ;昭和の右翼によるおもな事件 ほか)
第2章 日本の左翼(左翼とはいったい何なのか;左翼を知るためのキーワード;左翼運動の歴史;おもな左翼団体の流れ;新左翼によるおもな事件 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
道楽モン
46
初出は2008年。宝島社お得意のムックが文庫版となり、さらに加筆されて2025年の本新版となった。便利な人物カタログなので形を変えて常時、流通させ続けるというスタンスなのだろう。興味を持った初学者にとっては、とっかかりとしての存在意義あり。ここから政治の季節であった昭和を、右から左から俯瞰することが可能だ。それぞれの重要人物紹介と運動の中での位置づけが明快に記されている。まあ、一般教養としては十分だろうし、日本人は思想を運動に展開することが下手であったという事実が凝縮されている。皆、命がけだったのになぁ。2025/03/10
Shinya Fukuda
2
小学生だった頃、三島由紀夫が切腹したり、ヨド号がハイジャックされる事件があった。東大安田講堂が過激派に占拠されそれを阻止しようとする機動隊が揉み合う様子がテレビに映し出さることがあった、あさま山荘事件もあった。この時代が左翼のピークだったと思う。それ以前にも左翼はあったが治安維持法により厳しく取り締まられていたので社会を揺るがす事件は起こすことがなかった。一方で右翼だが戦後は左翼に比べて影は薄かった印象がある。戦前226事件がピークだったと思う。大川周明が取り上げられていない。これは疑問だ。2025/05/28
Go Extreme
2
「昭和は思想と情熱の時代」 「命を懸けて日本を守る」(右翼の理念) 「世界を変える」(左翼の理念) 「尊王攘夷の精神」 「反権力・反天皇制」 「社会変革を求めた若者たちの熱量」 「イデオロギー対立の終焉」 「下からの民主主義」 「理想と暴走の両面を併せ持った運動体」 「政治的無関心への反省」 「命を懸けて日本の未来を真剣に考えた人々」 「闘いの時代としての昭和」 「内なる革命への情熱」 「思想は生き方そのものである」 「過激さの中にある純粋な意志」2025/04/02
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