目次
城郭研究の進展と織豊系城郭
第1部 織田・豊臣城郭の構造(織豊系城郭の画期―礎石建物・瓦・石垣の出現;織豊系城郭の特質について―石垣・瓦・礎石建物;城郭にみる石垣・瓦・礎石建物;虎口「空間」について;大坂城の縄張り;聚楽第の構造;城郭史からみた聚楽第と伏見城;伏見城と豊臣・徳川初期の城郭構造;破城を再検討する)
第2部 陣城と本支城体制(上平寺城跡の構造―特に元亀元年の改修を中心に;堀尾氏の支城としての三刀屋尾崎城;堀尾氏の支城としての赤名瀬戸山城;堀尾氏の支城としての亀嵩城と三沢城)
第3部 城郭瓦の展開(安土城以前の城郭瓦;小谷城跡出土の瓦について;但馬竹田城跡採集瓦について―文禄・慶長年間築城の考古学的考察;家紋を押印した城郭瓦)
織豊系城郭研究の課題と展望
著者等紹介
中井均[ナカイヒトシ]
1955年大阪府生まれ。龍谷大学文学部史学科卒業。(財)滋賀県文化財保護協会、米原町・米原市教育委員会、長浜城歴史博物館館長を経て、2011年度に滋賀県立大学人間文化学部准教授。2013年度より同教授。2020年度退官。金沢大学、大阪大学などで非常勤講師も務める。専門は日本考古学で、特に中・近世城郭の考古学的研究、近世大名墓の考古学的研究。現在、滋賀県立大学名誉教授。著作多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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chang_ume
9
序章と終章が新稿。全体的に、石垣・礎石・瓦の三点セットを織豊系城郭の構成要素として理解し、古典考古学における「特徴的な型式の組み合わせ」の枠組みで城郭を物質文化の一類型として捉える視点が一貫している。そのうえで要素の組成を分布論に広げて、中央権力の介入や地域内の本支城体制などの「城郭政策」を抽出する。織豊系三点セットについては論争もありますが、やや個別分析にとどまる傾向もあって、方法論の吟味に至るまで議論が昇華できないものか。また著者が語るように、信長以前の事例(大桑城の巨石石垣など)も今後の課題だろう。2022/11/13
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