内容説明
本書は「臨床精神療法」と題されているが、その主眼は分裂病の精神療法にある。ベネデッティは分裂病を極とする精神障害を「自我衰弱」として捉え、病者の成熟を待つ無理のない態度をその精神療法の中核においている。巻末のヴェンガーの「精神医学的看護」とともに、わが国の現在の精神療法にとって示唆するところはきわめて大きいと思われる。
目次
精神療法における医師の立場―序
第1章 医師‐患者関係の概要(正しい問い方について;適切な問いについて ほか)
第2章 転移(神経症と精神病における転移の本質;転移と投影の相違 ほか)
第3章 解釈の本質と作用(抑圧されているものをふたたび思いだすことと解釈によるはじめての認識;解釈の効果 ほか)
精神医学的看護(精神医学的看護の定義、領域および限界;精神医学的看護における関係の構造 ほか)
著者等紹介
ベネデッティ,ガエターノ[ベネデッティ,ガエターノ][Benedetti,Gaetano]
1920年イタリアで外科医を父として生れる。1945年郷里の医学校を卒業。1947年チューリッヒ大学の精神科の助手となりギュスターフ・バリー教授の教育分析を受けるかたわら、メダルト・ポスとバリーの指導していたゼミナールにも参加した。1951‐52年にかけてアメリカに渡り、多くの精神病院や精神療法の研究所、施設を見学した。1956年教授資格試験に通り、同年より85年までバーゼル大学の精神衛生と精神療法の教授として活動をつづけた
石福恒雄[イシフクツネオ]
1936年静岡県に生れる。1961年札幌医科大学卒業。三楽病院・東京医科歯科大学神経科勤務を経て四倉病院長。1982年歿
小久保享郎[コクボツギオ]
1934年東京に生れる。1959年熊本大学医学部卒業。東京医科歯科大学神経科勤務を経て、現在湘南台メンタルクリニック院長
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