- ホーム
- > 和書
- > 人文
- > 哲学・思想
- > 構造主義・ポスト構造主義
出版社内容情報
文学批評において古典的地位を占める表題作のほか、バルト的批評の核心を開示する評論を集成。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
燃えつきた棒
40
大学生の時、フランス語の教師から『零度のエクリチュール』のことを聞いたのが、バルトのことを耳にした最初ではなかったかと思う。 その後、その本を買い求めはしたものの、長く積読状態にしたままだった。 ずいぶん前に、なんとか読んではみたが、印象は全く残っていない。 今回、本書を読んだのは、ローラン・ビネ『言語の七番目の機能』が、バルトの交通事故死を殺人事件に見立てた話だということで、それを読むにあたって、僕自身のバルトについての理解をいま少し深めておきたかったからだ。2021/10/29
そふぃあ
21
読んだは読んだけどよく分からなかったから自己満でしかない。重要と思われる<作品>と<テクスト>の違いもあんまり分からん。テクストっていうのは読者参加型のものを指すのか?消費され再現されないものは作品? 新書読もう。2018/04/20
きくらげ
17
生産者である作家から文学の発生を考察してもエクリチュールの惰性化は止められず、言説の本態を見極める脱神話化も神話化による意味の歪曲や通説化に飲み込まれる。優れた着想から分析方法を提示し新たな視界を垣間見せはするが、方法である事自体から限界がすぐに帰結してくる。袋小路の突破の試みは、方法そのものになる実践なのだろう。作者の言説を遡れば誰の言葉か不明な非人称的な領域がある。神話化に神話化を重ねたメタ言説ももう誰のものか分からないだろう。そこでは作者はもう無効なのだとするなら、読み手しかいないことになる。2024/10/19
ラウリスタ~
16
構造主義って名前は良く聞くし、構造主義者とされている人たちの本も多少は読んできたけど、結局構造主義って何?と聞かれると分からなかった。この本は、バルトのあちこちに載せた文章を繋ぎ合わせたもの、物語と構造分析するとはどういうことかっていう教科書的解説もあり、勉強になる。007やヤコブの相撲の話などを、構造分析の理論に当てはめながら解釈する。そのほか、作者の死とか、文楽の話など、重要なテクストが複数収められている。2013/04/14
きいち
15
この本のバルト先生、何か大ハシャギな感じで好きだ。最初の二篇は神話が破壊できることが嬉しいからか、プロップやトドロフたちから手に入れた物語分析ツールを嬉々としてぶん回すし、あげくに僕がやりたいのはテキスト分析なんだよね、ってそりゃヒドイ(笑)。作者は殺すし、ラストは特に率直で、神話破壊自体がすでに紋切型、なんでみんな気づかないんだ的に怒って今後の記号破壊を予告…。人の自由な思考を妨げる作用に対して、自分は永遠に闘うと宣言し実行している、その純粋さ、その本気度が皆に伝わる人だったのだろうな、と感じた。2013/02/26
-
- 和書
- 一力遼の一碁一会