出版社内容情報
安楽死法をもつ国が増え〔オランダ(2002)、ベルギー(2002)、ルクセンブルク(2009)、コロンビア(2015)、カナダ(2016)、ニュージーランド(2021)スペイン(2021)等〕、また自死支援を法律で許容する国も増え〔スイス(1942)、アメリカのオレゴン州(1997)などの各州、オーストラリアのビクトリア州 (2019)および各州、ドイツ(2020)、オーストリア(2022)等〕る中、本書では、これらの国の安楽死法の内容を分析することを通じて、安楽死法を基礎づけている「人間の権利」、さらにはその権利の根底にある道徳原則を抽出し世界の「安楽死」の法・原理の鳥瞰図を描き出すことによって、我が国の安楽死法議論へのたいへん有益な情報を提供する。
内容説明
安楽死法や支援自死を法律で許容する国はなぜ増えているのか?―導入されている国々の安楽死法を基礎づけている「人間の権利」や、さらにはその権利の根底にある道徳原則について、各国事例の詳細な分析から安楽死の法・原理の鳥瞰図を具体的に描き出し、我が国にとって、安楽死法はどうあるべきかをじっくりと議論する上での有益な情報を提供する。
目次
第1章 オランダの安楽死と法(オランダは安楽死を合法化したのか?;法務長官控訴文書について;安楽死=医師のケアの行為に関する法;WTLのケアの要件と欧州人権条約(ECHR))
第2章 オランダの安楽死と倫理(安楽死を求める背景;安楽死法制定の過程;自発的で十分に考慮された願いと私生活を尊重する権利―人権的統合体;絶望的で耐えがたい苦痛と非人道的な扱いを受けない権利―人格)
第3章 安楽死アトラス 思いやりモデルとリベラルモデル(スペイン安楽死法を手がかりに;安楽死のモデル)
第4章 子どもの安楽死 非自発的安楽死(オランダ「子どもの安楽死を認める決定」;グロニンゲンプロトコール;診断的関わりと治療的関わり)
資料(世界の終末期医療の最新データ;世界の安楽死法の比較表)
著者等紹介
盛永審一郎[モリナガシンイチロウ]
小松大学大学院特任教授。富山大学名誉教授。1948年生まれ。東北大学大学院文学研究科博士課程中退。研究テーマは実存倫理学、応用倫理学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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