出版社内容情報
飼う!育てる!捕まえる!食べられる生き物と各民族の様々な関係を研究者がいきいきと紹介。フルカラーでさまざまな写真も掲載。
飼う!育てる!捕まえる!食べられる生き物と各民族には様々な関係がある。さまざまな民族の食事といなくてはならない食べられる生き物たち。生き物にはただの食事の素材という事ではなく、価値観や風習などの中でしっかりと役割を与えられることも多く、人びとの楽しみになっている。小さい頃から育てられたり、呪術的な意味をもったり、ときにはコショウなど異文化の人びととの関係に大きく影響を与えることもある。また生きものとの関わり合いの変化には、その民族が都会に出なければ暮らしていけない時代の変化や、海流や気象の変化も映している。何より単純に食べて美味しく、もらえれば嬉しい、分け与えていく地元の味としてしっかりと息づく食べ物(生き物)を、世界各地で体験しながら観察する文化人類学者がいきいきと紹介する。フルカラーでさまざまな写真も掲載。
?@ヨーロッパ
羊たちのいるイタリアの風景<ヒツジ:イタリア>/捕鯨者たちの大宴会<ゴンドウクジラ:デンマーク領フェロー諸島>/北欧の森と人びとをつなぐビルベリー<ビルベリー:フィンランド>/フランス史に痕跡を残したバルカンの羊たち<ヒツジ:バルカン半島>/マラムレシュの冬は豚の解体で華やぐ<ブタ:ルーマニア>
?Aアフリカ
エチオピアの主穀であるわけ<テフ:エチオピア>/バナナの食べ方<バナナ:アフリカ・東南アジア>/キャッサバを長持ちさせる<キャッサバ:マダガスカル>/森に棲むナマズの力<ヒレナマズ:エチオピア>/ゾウの肉に集まる人びと<マルミミゾウ:カメルーン>/噛む楽しみは広がる<ミラー:ケニア>/ラクダミルクこそパワーの源<ラクダ:ソマリア>
?B南アメリカ
知られざるアンデスの雑穀<キヌア:アンデス高地>/トウモロコシから生まれたマヤ文明<トウモロコシ:ホンジュラス>/モバイル時代の鯨捕り<ザトウクジラ:ベクウェイ島>/秘伝の味<サボテン:ペルー>/ブラジルのアマゾン先住民からの国民的な飲み物<ガラナ:ブラジル>
?C北アメリカ
ユーコン川の恵み<マスノスケ:カナダ・ユーコン川流域>/イヌイットの暮らしを支える<ワモンアザラシ:アラスカ沿岸>/手強い獲物は稀なごちそう<オヒョウ:カナダ>
?D北アジア・中央アジア
長い冬ごもりにそなえて<キャベツ:ロシア>/トナカイと生きる<トナカイ:モンゴル>/精霊に捧げ食べる<フナ:ロシアアムール川流域>/バイカル湖のご馳走<オームリ:シベリアバイカル地方>/春の訪れを告げるはえ縄漁<カルーガ:アムール川>/雑魚にして神魚<カワカマス:シベリア>
?Eオセアニア
イモを見分ける<タロイモ:フィジー>/ブタ無くして、暮らし無し<ブタ:ニューギニア>/タブーの島のトビウオ漁<トビウオ:バヌアツ>/美味なるかな、カメの甲羅焼き<アオウミガメ:ミクロネシアヤップ島>
?F東南アジア
村の救世主サトウヤシ<サトウヤシ:インドネシアジャワ島>/大衆魚のムロアジ<ムロアジ:インドネシア>/猟がうみだす森のかく乱環境<ハイイロクスクス:インドネシアセラム島>/世界を動かした熱帯の植物<コショウ:インドネシアを中心に>/くさいかおいしいか「キュー」な食べ物<カメムシ:ラオス>/ふるさとの味は、毒の味?<イヌホオズキ:インドネシアスンダ>/空気を食べるきれいな食べ物<セミ:ボルネオ島>
?G東アジア※日本以外(仮)
ワカメ漁場と海女の暮らし<ワカメ:韓国>/米のある風景<イネ:中国・徳宏>/マオ・グアは母の味<トウモロコシのごはん:ミャオ族>/「水ゴキブリ」を食べてみるかい?<ゲンゴロウ:中国・広東>/亜熱帯林と草果(そうか)<草果:中国雲南省>
?H日本
イノーをめぐる養殖と採集の風景<ヒトエグサ:沖縄>/ヤマバチが「来る」季節<ニホンミツバチ:福島県東尾岐>/イノシシと暮らすシマ<リュウキュウイノシシ:南西諸島>/ウシガエルを釣って食べる<ウシガエル:日本>/干潟の小さきものたち<ミドリシャミセンガイ:奄美大島>/強壮の生薬として珍重された獣<オットセイ:アイヌを中心に>/
内容説明
世界各地で人びとと暮らし、食をともにしてきた文化人類学者が、地域の食べられる生きものと接し、めくるめく食体験に至るまでをフルカラーの写真とともに分かりやすくかたる。
目次
1 ヨーロッパ
2 アフリカ
3 南アメリカ
4 北アメリカ
5 北アジア
6 オセアニア
7 東南アジア
8 東アジア
9 日本
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