出版社内容情報
英国が生んだ解析的整数論の巨匠ハーディが,「なぜ数学を研究するのか」を率直に論断してみせた名篇『ある数学者の弁明』と,その友人スノーがハーディとの出会いから死までを陰影深く描き出した『ハーディの思い出』の2篇を収録.インドの無名の若者だったラマヌジャンが,ハーディによって初めて天才数学者として開花するエピソードも興味深い.
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
S‐tora
1
◎ 数学者が数学そのものについて語ることの恥ずかしさと、数学そのものについて語るのは数学者の仕事なのか?という疑問もあって、タイトルに「弁明」とつけたのかなとお思う。我々もつい自分たちのやってることを大上段から語りがちなので、自戒しなければ。2020/08/24
あか
1
20世紀を代表するイギリスの数学者G.H.ハーディ自身による、数学者としての立場表明というか、書名の通り「弁明」といった趣きの論文。数学が実社会にどう役に立っているかというエクスキューズではなく、むしろ逆に、純粋数学がいかに独立した立場の、審美的な、芸術的な分野であるかを説く。つまりはまあ、高踏的で、「だから数学ってみんなに避けられるんだよな」という気持ちにさせる。ただしこの印象は(後半に移された)スノーによるハーディの人となりを記した文章を読むとかなり緩和される。この順番はもったいないが、仕方ないか。2017/03/25
ぶひん
0
「人が研究活動を行う理由は、知的好奇心、仕事の満足感への渇望、そして野心である。」「良い仕事は謙虚な人にはできないものである」・・・心に刻もう2017/04/02
Nobushimi
0
重い。2016/08/07
ことよん
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ハーディーという人は知りませんでしたが、まさに数学者らしい人ですね。数学の話は、殆ど出てきませんが、雰囲気は感じました。2018/09/30