内容説明
「人間には攻撃的本能がある」「攻撃とは怒りの表現である」―人間にとって「攻撃」とはいったい何なのであろうか。また、それはどれくらい深く、人間の本性に根ざしたものなのであろうか。本書では「人間の攻撃性」について、代表的な考え方を紹介するとともに、現代社会の暴力・犯罪の事例も交え、多角的な視点から、その核心に迫っていく。
目次
第1章 人間と攻撃
第2章 攻撃性は本能か
第3章 攻撃の戦略性
第4章 攻撃の衝動性
第5章 攻撃性と性格
第6章 マスメディアと暴力
第7章 社会的状況の罠
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
perLod(ピリオド)🇷🇺🇨🇳🇮🇷🇿🇦🇵🇸🇾🇪🇸🇾🇱🇧🇨🇺
7
2000年刊。著者は文学博士で専攻は社会心理学。特に人間の攻撃性と紛争解決の社会心理学解析。既知の内容が多かったと思ったが、内容を整理している間に既知であっても有益な情報が少なくない事に気がついた。 第1章。攻撃と攻撃性について。前者については衝動的なそれと戦略的なそれに分類する。後者は三つの見方があり、内的衝動説(フロイト、ローレンツ)、情動発散説(バーコビッツ)、社会機能説(バンデューラ)。→2023/05/11
dometaro
3
人間がいかに弱いか、いかに簡単に攻撃という安易な選択をしてしまうのかが非常に良く伝わった。 人間は弱い。本当に弱い。持てば持つほど失うことが怖くなる。弱さを知ることまずはそこに尽きる、弱いながらに必死でもがくこと、それこそが人間の尊さであり強さである。弱気を知る事が結局一番強さに繋がる。人間は弱いだからこそ尊い。2010/11/24
新橋九段
1
もうかなり古い本になってしまったが、攻撃性研究の基本は出版当時とあまり変わっていないだろう。2016/11/06
モック
0
ローレンツ、フロイトの本能論と社会心理学の実験と考察などが書かれている。ローレンツの説明はしっかりされているが、フロイトについては軽く紹介している程度であり、フロムが出てないあたりが少し残念。2012/08/19