内容説明
関東大震災から100年、防災と都市計画のバイブル!35歳にして内務省衛生局長。得意の絶頂にある時、相馬事件に巻き込まれ入獄―波乱の前半生を描く。
目次
謀反人の子
こころの錦
金鯱の下
自由は死せず
官界へ
若き技師
得意の時代
忠臣か姦臣か
狂人と法律
人間盗難
第二段の構え
新しい攻撃
形勢逆転
著者等紹介
杉森久英[スギモリヒサヒデ]
1912年、石川県生まれ。東京大学国文科卒業。河出書房の『文芸』編集長を務める。1953年、短編「猿」を発表、芥川賞候補となり、これを機に文筆に専念。1962年、同郷の異色作家・島田清次郎を描いた『天才と狂人の間』で直木賞受賞。伝記文学にすぐれた作品があるが、風刺小説でも好評を博す。『能登』で平林たい子賞受賞。1997年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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DEAN SAITO@1年100冊
4
与えられた部局で事務をこなすことが求められる官僚機構の中で、仕事と好奇心を一致させ、なおかつ部局横断的な構想することは難しい。そのことを可能にした要因は、壮年期の後藤が植民地経営と言う多くの異なる分野が複合する課題に対し、的確な対応が求められる場に身を置いたこともあるが、その背後には学僕時代から続いた理解者たちのリレーがあった。…壮年期以降の後藤は、才能を見出す、そして引き出す側に回ることが多くなる。大抵その舞台となるのは、後藤が直接にその人物と会って話を聞くことだった。(解説)2024/06/16