内容説明
父の宿敵の息子と駆け落ちしたフロレンティナ。事業を興し、父親譲りの才覚で瞬く間に成功を収めた彼女は、やがて“バロン・グループ”を継ぎ、順風満帆な日々を送っていた。ところがどこか物足りなさを感じていたある日、旧友に下院議員選への立候補を請われ、“大統領になる”という幼き日の夢を思い出す―。計略渦巻く政界で待ち受けるものとは?20世紀アメリカを駆け抜ける壮大な物語。
著者等紹介
アーチャー,ジェフリー[アーチャー,ジェフリー] [Archer,Jeffrey]
オックスフォード大学卒。1969年より庶民院議員を5年間務め、76年に『百万ドルをとり返せ!』で作家デビューを果たし、92年に一代貴族に叙され貴族院議員に。妻と2人の息子、5人の孫がおり、イギリスのロンドンとケンブリッジ、スペインのマヨルカ島に居を構える
戸田裕之[トダヒロユキ]
1954年島根県生まれ。早稲田大学卒業後、編集者を経て翻訳家に(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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優希
39
まさか駆け落ちから始まるとは思えませんでした。そして時代はケインとアベルの死後の物語へと移っていきます。父親譲りの才覚で成功したフロレンティナは政治の世界へと足を踏み入れ、幼い頃に夢見た「大統領になること」を思い出し、実現させてしまうところが凄いと思いました。この物語は、フロレンティナの「成功した人生」と言っても良いですね。面白かったです。2023/11/05
ブラックジャケット
12
ウィリアム・ケインもアベル・ロスノフスキも寿命を迎える。大河ドラマは子世代に。フロレンティナはシカゴの民主党下院選挙に出馬。夫のリチャードは銀行家らしく共和党支持者だが、バロン・グループの総力を上げてフロレンティナの選挙を支援する。挫折もあるが、下院議員、上院議員と順調にキャリアを積む。ついには大統領が視野に入る。ちょっと遠回りして、ついには大統領となる。著者自身が何回も選挙に出ているので、議員気質は熟知している。選挙戦の 激しさ、面白さを描くことについては他の追随を許さない。 本当に選挙好きなんだな。 2023/09/25
woo
6
ケインとアベルの姉妹編とあるのが正にその通りか🤞相変わらずのストーリーテラー振りで読んでガッカリはしないが、当然前作のような感激はない😬2023/07/05
franz
5
再読。昔アーチャーをまとめて読んだときは『ケインとアベル』や『誇りと復讐』などと比べて印象が薄かったのだが、改めて読んでみるとこれもやはり素晴らしい本だった。 アーチャーの良さは物語としての大きな枠組みがしっかりと面白いのに加えて、登場人物たちの会話でかなり頻繁に小さな感動を与えてくれたり、そのウィットが笑わせてくれたりするところにある。自分にとってアーチャーが現代文学最高の作家であるのは特に後者に因るところも大きい。(素晴らしい日本語訳も大きなウエイトを占めている)2023/10/03
くぼたか
5
原書改訂版の初邦訳と訳者のあとがきにもありますが、残念ながら、改訂箇所が私には分かりませんでした。それでも物語の世界を堪能できたので満足です。2023/06/18