出版社内容情報
カリン・スローター[カリンスローター]
鈴木美朋[スズキミホウ]
内容説明
捜査が難航するなか、新たな女性が行方不明になった。これまでの被害者と同じく、裕福で社会的地位が高く、やせ形の美人で嫌われ者―。だが被害者をつなぐ接点はなく、犯人の影は全く見えない。刻一刻と時間が過ぎるなか、ウィルは彼女たちが摂食障害を抱えていたことに気づく。そして、そこに隠された暗い秘密にも…。緻密な計画性と異常な暴力性をあわせもつ犯人のシナリオとは!?
著者等紹介
スローター,カリン[スローター,カリン] [Slaughter,Karin]
エドガー賞にノミネートされた『警官の街』や、発売するやいなやニューヨーク・タイムズ紙のベストセラーリストにランクインした『プリティ・ガールズ』をはじめ、“ウィル・トレント・シリーズ”“グラント・カウンティ・シリーズ”で知られるベストセラー作家
鈴木美朋[スズキミホウ]
大分県出身。早稲田大学第一文学部卒業。英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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- 評価
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
W-G
347
主要人物のすったもんだは相変わらず面白いものの、事件の結末はやはり尻切れトンボ。最もインパクトあった、被害者の肋骨が抜かれたことの理由も、ちょっと苦しい。ああ、なるほど、そりゃ肋骨抜くよね~とは到底ならない。これまで読み進めた印象として、まず絵が浮かんで、それに沿って筋立てしていくタイプの作家なのだろうと。犯人が発覚するタイミングも、捜査の末にではなく、直前まで五里霧中だったのが、たまたまアレ?と気づいた感じ。というか初動捜査のミスが酷いし、そこで犯人の関係者が偶然居合わせたというのはいかがなものか。2019/06/11
藤月はな(灯れ松明の火)
107
ポーリーンら、被害者達は自分を痛めつけながらも人に心を開かない。所謂、嫌な女だ。しかし、それは彼女達が助けを求めてもできない事をよく、理解していたからだ。もし、泣き言を言っても誰かから、一時的で自己満足な哀れみや勘違いな慰め、侮蔑を掛けられるのがオチ。そんな無駄な事よりも自分で立つ事を選ぶ方がマシ。それに彼女たちは守るべき者や愛すべき者がいれば、誰よりも忍耐強く、強くなれる女性達でもある。彼女達は間違いなく、ファイターだ。しかし、事件の(如何にもアメリカな)醜悪な真実よりも毒女、アンジーが強烈すぎる。2018/11/26
巨峰
82
下巻は、上巻ほどグロくはなくなったけど、いやーなミステリ度があがった感じ。被害者たちはとてつもなく悲惨な目にあったのに同情できそうにないというのは新しかった。ウィルとフェイスの2人の捜査官もトラウマやらトラブルを抱えており、そっちにも筆が割かれているので、冗長感があるんだけど、一気に読んでしまった。アメリカでは人気作家の人気シリーズの何作目だそうですが、邦訳されたのはこの作が初めてだそうです。2017/10/14
のぶ
77
大変に面白い作品だった。上巻で発生した事件の捜査が下巻に入っても懸命に続く。上巻で提示された人物造形は、下巻でも秀逸でストーリーの輪郭がとても分かりやすい。事件は残忍ながら描写に惨たらしさはあまりなく、どんどん読み進められる。次第に事件の真相が明かされるのだが、事件の描写だけでなく、登場人物の私生活や家庭をしっかり描いているので、筋の根幹がぶれないのだろう。この作家は他にも訳出されているようだし、新刊の刊行も控えているようなので、今後も追いかけてみたいと思った。2017/03/21
ナミのママ
69
上巻から「コイツがあやしい」「これが犯人か」と推理しながら読む。「やっぱり!こいつか」と今回は繋がりほくそ笑んだ。嫌な事件、好きになれない被害者たち、傷みを抱えるおなじみの登場人物。それなのに飽きずに読まされてしまい、続編が読みたくなる、人気シリーズなのが納得です。2020/07/02