出版社内容情報
エメイ・カーター[エメイカーター]
富永佐知子[トミナガサチコ]
内容説明
目覚めると、キティは見知らぬベッドに横たわっていた。目に映るのは見覚えのない体躯。試験に失敗し、奴隷同然の身分に墜ちたキティは拉致され、青い瞳を残して別人に全身整形されていた―令嬢ライラ・ハートそのものに。尻には何の印か蝶のタトゥーまで刻まれている。突きつけられた選択肢はふたつ。このままライラになりすまして生きるか、今すぐ殺されるか。数奇な運命が動き始める。
著者等紹介
カーター,エメイ[カーター,エメイ] [Carter,Aim´ee]
11歳から二次創作小説を書き始め、現在はヤング・アダルトや小学校中学年から高学年向けの物語を執筆している。ミシガン州デトロイト在住
富永佐知子[トミナガサチコ]
東京藝術大学音楽学部楽理科卒業。英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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カナン
42
アメリカ合衆国が崩壊し、完全なる独裁政権となったディストピア物語。作者がデトロイト出身という後書きは「いかにも」過ぎて笑ってしまったが、暗黒郷という名に相応しい圧倒的な差別階級と権力に管理し尽された世界では人と云う名の家畜達が辛うじて生きている。十七歳の誕生日、何も知らぬまま全身整形を施され、国民から熱狂的な人気を誇る大統領の姪であるライラの替え玉として生きることとなったキティの、躊躇ったら即「死」のスーパーサバイバル。薔薇と屑は対比ではない。美しい花弁の奥底はキティもライラも私も貴方も皆愛しい屑なのだ。2018/03/22
きな粉
7
まあまあ面白かったです。17才になると受けるテストで、国民を7段階に分類する徹底した管理社会を舞台にしたディストピアYA小説。主人公のキティ(17)は頭はいいけれど失読症が故にテストでは下位から3番目の階層に。そんな彼女が特権階級の最上層の陰謀に巻き込まれていく物語でした。キティと同じ施設で育った恋人のベンジーとの、清いけれど深い関係がかわいいです。三部作の一作目ということですが、続きが出れば読みたいです。2016/11/03
14番
4
YA小説を読むのは2作目。1作目は「毒見師イレーナ」あちらはファンタジー、こちらはディストピアSFながら、「管理社会を舞台とし」「女性主人公が」「罪を帳消しにする代償に特殊な任務に着任」と部分的に似通っている。(ただし「イレーナ」はいい意味での管理社会でディストピア感は無い)面白かったけれど、ボリューム不足というか、登場人物がもう少し多くてもいいのでは無いかと感じた。現実とは違う社会が舞台ならば、生活、価値観、その他の変容を人間を通して描いて欲しいと思う。 平たく言うと、お上品な「狂四郎2030」2016/10/22
ぺこ
2
献本で頂いたので読んだ。普段は手に取らないジャンル。翻訳本特有の癖で中々読み進まない。次第に慣れて、物語にも引き込まれ、中盤から一気読み。面白かった。ただ、挿絵が好みじゃない…。三部作の内の一作目だそうなので、次回作も是非読みたい。2016/12/01
杏奈
2
最近のラノベっぽい感じです。 沖方丁のマルドゥックシリーズに似てるかな?と思って手に取ったせいか、読み応えはあまりありませんでした。 三部作とのことなので、後の展開に期待です。 イラストは、ベルバラとジョジョの劣化版みたいで、もっと精緻なタッチにすればマシになるのにって思いました。