内容説明
賑やかな週末のスケート場で起きた発砲事件。仲間といた少年が襲われ、犯人の十代の少女は警官によって射殺された。現場付近のトイレから未熟児の遺体が見つかり、少女の赤ん坊と推測されるなか、検死官サラは彼女の亡骸に暴行とレイプの痕跡を発見する。だが少女の下腹部には、出産できないようにむごい傷がつけられていた。捜査が暗礁に乗り上げたとき、さらにひとりの少女がさらわれ―。“グラント郡”シリーズ第2弾。MWA賞受賞作家が放つ、戦慄の犯罪小説。
著者等紹介
スローター,カリン[スローター,カリン] [Slaughter,Karin]
エドガー賞にノミネートされた『警官の街』などで知られるベストセラー作家
田辺千幸[タナベチユキ] 
ロンドン大学社会心理学科卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆいまある
125
          
            グラント郡シリーズ2作目。前作の連続レイプに引き続き、今度は児童買春。何故小さな街でこんな凶悪な事件ばかりが続くのか。何故前作の被害者の皆様は引っ越さないのか。思い出したくもない土地だろうに。子供達の傷つけられ方が酷くて、しかもラストはスッキリしない。次作に続く、なんだけど次作が翻訳されていなくてオチが見えないままである。気分が悪くなるぐらいエグい事件だが、被害者のその後の心の動きを丁寧に書いている所は素晴らしい。サラの予約患者は一日に30人から40人。小児科でそれでやっていけるって羨ましい。2021/05/12
          
        のぶ
82
          
            カリン・スローターの作品は近年、出版ペースが速く追いかけるのが大変だが、本作はグラント郡シリーズ第二弾。どれもレベルが高いが、この本も面白かった。しかし未成年者が悲惨な運命をたどるので、心が痛んだ。スケート場で起きた発砲事件。仲間といた少年が襲われ、犯人の13歳の少女は警官によって射殺された。それが序章で主人公のサラを中心としたチームは捜査にあたるが、物語は思わぬ方向に展開する。明るい気分で読める物語ではないが、物語は一気に読む事ができる。シリーズはまだたくさん残っているようで今後が楽しみだ。2021/01/20
          
        future4227
77
          
            えー、そこで終わりー?そんなー、まったく救いがないじゃないか。怒り、憤り、哀しみがじわじわと込み上げてくるラスト。現実は確かにそうなんだろうけど、スッキリ終わってくれー。グラント郡シリーズの2作目作品。真相が知りたいという思いで読んでしまうけど、いつものようなテンポの良さが感じられなかった。まだ初期作品ということもあるのかな。でも幼児性愛者、近親相姦などテーマは重く、読後は沈鬱な気持ちがどんよりと広がる。2021/01/02
          
        ナミのママ
64
          
            <グラント郡シリーズ>2作目。発表は2002年。そのために捜査がやけにのんびりと感じる。国内発表は2020年。その間に別のシリーズが翻訳され読んでしまったので一部の人間関係や未来がわかってしまう。その部分はとても残念だった。事件は児童に絡んだ残虐なもので胸くそが悪い。登場人物の善良な人たちが心を痛めながら立ち向かうのがせめてもの救い。2021/12/04
          
        星落秋風五丈原
59
          
             ウィル・トレントシリーズでウィルのパートナー候補であるサラが、元夫と別れて医師と検視官を兼業していた頃の話になる。原題は邦題とは全く関係のないKisscutで、デザインなどの用語で 台座を傷つけずに表層だけを切り取ることを意味する。   本編でサラと二人ヒロインを張るのは『開かれた瞳孔』で双子の妹シビルを殺され、自身も酷い目に遭った警察官レナだ。トラウマに苦しみながら過去を思い出させる事件に果敢に向かってゆく様は、大元を変えずに自身を塗り替えてゆくKisscutそのものなのかもしれない。2021/02/04
          
        

              
              
              

