内容説明
“赤い女”の存在に行き着いたガブリエルはついに裏切り者の正体を知る。思いもよらぬ人物の後継者がロシアのスパイとして、西側情報機関の中枢に潜入していたのだ。冷戦時代の悪夢が蘇る危機的状況にMI6長官から事態収束を託されたガブリエルは、その背後にいる狡猾な敵を欺くべく、決死の一手を繰り出す―。クレムリン最深部で、ひそかに育まれた世紀を超えた策謀とは!?
著者等紹介
シルヴァ,ダニエル[シルヴァ,ダニエル] [Silva,Daniel]
これまでに刊行した21作すべてをNYタイムズ・ベストセラーリストに送り込んでいる人気作家。ガブリエル・アロン・シリーズは全作品が高い評価を受け、世界30カ国以上で紹介されてベストセラーになっている。CNN特派員の妻ジェイミー・ギャンゲルと2人の子供で双子のリリーとニコラスとフロリダ州在住
山本やよい[ヤマモトヤヨイ]
同志社大学文学部英文科卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
くたくた
49
《第176回海外作品読書会》前回までの「テロとの戦い」から一転して、対ロシアの王道エスピオナージ。始めは楽勝かと思われた作戦が実はロシアの手玉に取られていたと分かり、巻き返しを図るが。焦点はMI6の中枢に食い込んだ二重スパイ(モグラ)を狩り出す事。盟友グレアム・シーモアは事の責任を問われて失脚しかねない。MI6とシーモアに腹を立てつつも、友の立場を守るため、ひいてはそれが母国の為になると信じて敢えて煮え湯を飲むガブリエルである。今回はロシアの勝ちなのか。これまで文字通り満身創痍で戦いながら関係を深めてきた2021/03/14
Nat
43
図書館本。面白かったが何となくすっきりしなくて、モヤモヤした終わり方。ロシアやプーチンの描き方がリアル。途中で新生ロシアは旧ロシアと同じだといった呟きがあったが、確かに今のロシアを暗示しているような気がした。2023/02/24
うたかたの日々
24
後半もあっという間に読み終わった。MI6やCIAと微妙な関係にそしてなんとなく誰も救わえない終わり方。後味少し悪いが、次の展開に続きそうなので楽しみです。2019/12/19
stobe1904
12
【ガブリエル・アロンシリーズ】昨今のISIS関連ではなく、伝統的なエスピオナージュがテーマ。イギリス情報機関に潜入したロシアのスパイを徐々にあぶり出していくが、そこには冷戦時代の大物スパイのキム・フィルビーの影が…。これまでは時勢をうまく取り込みアクションもあるメリハリのきいたテイストだったが、本作ではル・カレのような諜報員たちの知略を尽くした暗闘を描いている。やはりナチスやISISなど絶対悪とアロンの戦いが面白いが、次作以降に登場しそうな魅力的悪役が出てきたのが今後への期待かな?★★★☆☆2020/01/21
🐾ドライ🐾
10
冷戦時代に実在したロシア側スパイ、キム・フィルビー。彼に隠し子がいて、その人物が自然と遺志を引き継いでいたら… というわけでイスラエル諜報部長官ガブリエル・アロンが主役のシリーズものなのね。西側諜報機関の中枢にいるロシア側のスパイを見つけ出して捕まえることになるのだが、長官が単独行動でスパイと直接対峙ってのがどうも…座り心地のいい椅子からエージェントに指示を出すのが長官の立場だと思うんですけど。 各国諜報機関のトップって、知っていても平気で嘘をついたり、素知らぬ顔でいられる人じゃなきゃムリ。2021/06/21