内容説明
高層マンションの一室から女性の遺体が発見された。刑事羅飛が現場に急行すると、女性は毒薬の風呂に浸かり、肌を火傷しながら恍惚の表情を浮かべていた。さらに、被害者の元恋人で傲慢な金持ちの息子が局部から大量出血し死亡する。いずれの現場にも直前に宅配便が届き、その差出人が次の被害者になると読んだ羅飛は事件を防ごうと奔走する。だがそれを嘲笑うかのように次々に犠牲者が生まれ―。
著者等紹介
周浩暉[シュウコウキ]
中国で圧倒的な人気を誇る推理小説家。江蘇省揚州市生まれ。清華大学修士課程修了。〈死亡通知書〉シリーズは本国で累計120万部以上を売り上げた。作品は複数の言語に翻訳され、数多く映像化されている
阿井幸作[アイコウサク]
北海道生まれ。北海学園大学卒業。北京市の中国人民大学に語学留学中に中国のミステリ小説に興味を持ったことがきっかけで、ライターと翻訳家の道へ。北京在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Shun
31
「邪悪催眠師」続編。催眠術を悪用した凶悪犯罪に刑事羅飛が再び対峙する。催眠術をここまで活用できるのか眉唾ではあるがエンタメ性重視の内容で前作よりさらに面白く読めました。まず被害者が亡くなった状況というのが非常に不可解な現場となっており、この状況を作り出した犯人の思考を追跡するのが困難な上、警察の予測の常に先を行っている非常な難事件である。遂に尻尾を掴んだと思ってもまだ何か罠があるのではと不安が付きまとい、この知能犯を相手にした緊張感が本作の魅力。またこの犯行はあの映画が元ネタだが本作も十分に独創的でした。2025/02/16
路地
30
待望の続編をやっと読むことができた。前作に続き催眠術を悪用した殺人事件が次々と起こるのだが、あまりにも現実離れしていて想像力に乏しい自分にはうまく飲み込めずにいたが、SF混じりのミステリとして読むのがよいのではと気付いてからとても楽しく読み進めることができた。羅飛の優秀さが際立つも催眠に操られたトラウマから苦悩を抱える姿が格好良い。次作はいつ頃読めるだろうか。2025/06/05
ばんだねいっぺい
28
個人的には、思いつかないような設定もよかったし、 人間哲学のようなラストもズシンと来た。何を書いてもネタバレになりそうで怖いが、和魂洋才というか、 サンプリングが素晴らしいと感じた。三部が待ち遠し過ぎる。2024/12/30
星落秋風五丈原
26
眠術によって何でもできてしまう。というが本当かな?自分の意志に反する事は、本来できないはずなのだが。それにしても中国で整形美人はいるし、韓国みたいに金持ちのいけすかないボンボンはいるし、いまやすっかり昔の中国イメージは塗り替えられてしまった。こんな小説出していいのか中国。いいのか売れれば。まあ苦労知らずの若造が恨みを買い、清く貧しく美しく生きる庶民が虐げられる図に憤りを感じるのは万国共通である。2025/03/13
elf51@禅-NEKOMETAL
5
「邪悪催眠師」に続く第2作。何だか変な話だ。中国の一部地方では犬を食べる習慣があって,ネットで犬を手配する手配師,犬を調達する料理人,犬を運ぶトラック運転手に関わり殺人事件が起こる。犬の糞が遺留品に使われたり,+催眠師とか,怪しい限り。催眠術によるトリガー,これをなるほどと受け入れられるか,そんなもんと思うかで評価は変わるだろう。まぁ,日本人では書かないだろう作品。解説によると,富豪,官僚の子供はすぐ殺されてしまうらしい。中国の国事情,内側の階級差別,中国の思想が少しわかるのはよいかも。2025/03/15