内容説明
「わたし、あのディロン・オースティンと結婚したの」「バンクーバーバンドの曲を作ってる、あのディロン?」姉ペイジの唐突な電話から三年の月日がたった。姉はもういない。クリスティアーナは、カナダ、プリンスエドワード島の小さな美しい湖のほとりにたたずみ、もの思いにふけっていた。と、そこに全速力で走ってきた馬に引っかけられてしまう。馬上の主は、見まがうはずのないディロン・オースティン。この人の真の姿をつきとめ、姪の養育権裁判で優位に立ちたいという両親に頼まれて、姉の忘れ形見の子守りに志願してきたのに。ディロンは彼女を家へ連れ帰り、医者を呼び、看病してくれた。想像とはぜんぜん違う。温かくやさしい人なのかもしれない。ママたちの考えどおりにことが運んで、これでいいのかしら。