出版社内容情報
記憶を失った侍の幽霊・佐之介と霊視の力を持つ奥女中・里沙が、大奥に現れる幽霊たちの心残りを解き明かす、感動のお江戸小説。
内容説明
亡霊が見えるせいで呪われた子だと家族から罵られてきた里沙。自分の力を忌避し、生きる意味を見失いかけていた彼女を繋ぎ止めたのは、奥勤めをしている叔母・お豊からの一通の手紙だった。『そなた、大奥へ来ぬか―』そこは男子禁制で全てのお役目を女が勤め、皆いきいきと働いているという。こんな私でも誰かの役に立てるのならばと、お豊の力添えで奥女中となる決意をする里沙だったが、そこでは、とある亡霊騒ぎが起きていて―。霊視の力を持つ奥女中・里沙と記憶を失った侍の亡霊・佐之介が、大奥に現れる亡霊たちの心残りを解き明かす、感動のお江戸小説。魔法のiらんど泣ける文芸小説コンテスト入賞作!!
著者等紹介
菊川あすか[キクカワアスカ]
2017年スターツ出版から『君が涙を忘れる日まで。』でデビュー。江戸時代好きがきっかけで大奥の物語を書き、泣ける文芸小説コンテストに応募、受賞に至る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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はつばあば
48
霊が視える人の話を4日続けて4冊目😅。「死人の口入れ屋」が強烈すぎたのでこの本は軽く読めはしますが・・。自分の子に霊が視えるってだけでこれほどの虐待するなんて。霊が視えるって結構遺伝?なんて思ったりして、この子の祖母にも「そのケ」があったなら息子である父親ももう少し配慮があってもよかろうにと変なところでリキが入ってしまいました(^^;。今回は出だしの佐之介が男前過ぎて里沙の目がちょっと羨ましくなりました。叔母・豊の子が成仏できてよかったです。大奥にはまだまだ幽霊騒ぎもあるでしょうしシリーズ化するのでは?2024/03/02
色素薄い系
3
舞台は大奥でも女同士の争いみたいな物はなく安心して読める。里沙の周囲の人も優しい人が多くて実家の時が不遇であった分恵まれているようで良かった。霊が何か悪事を働く訳でもなく物騒な事も起きない世界なので里沙の優しさをより際立たせていると思う。他とは違う霊である左之介の件は解決していないので2人の関係と共にどうなっていくのか楽しみです。2024/07/12
sion
3
物語の舞台がいい。大奥でも彼ならいられるわ。 大人になって特別がいい意味じゃない事を思い知ることが多々ある。それが誰かの役に立つなんて。2023/03/24
HASE, Moto
1
文政年間、家斉公の頃。亡霊が見える里沙は家族に疎まれ、味方は祖母と叔母だけだった。祖母亡き後、大奥勤めの叔母の計らいで奥女中に。 人の役に立たねばと焦る里沙は、御火の番を悩ませる亡霊騒ぎの解決に名乗りをあげる。 個人的に馴染みのある時期の江戸とはいえ、お城の中のことは全く以て疎いので、奥女中の仕事や暮らしぶりがとても興味深くかった。巻末の「大奥の基礎知識」も親切設計。 「女の恐ろしさ、いやらしさ」的なのがほぼ出てこない、優しい作風でホッとする。里沙と佐之介のやり取りにニマニマしました。2023/04/05
ユウハル
1
大奥での怪異を調べることになった里沙。 「誰かの役に立ちたい」その思い一心で頑張る里沙の姿があまりにもいじらしくて読んでる方も応援に力が入る 大奥に上がるまでのエピソードはとても酷く、これからの人生で里沙が幸せになることを祈る。 佐之介とこの先どうなるのかとても気になるので早く続編が読みたいです!2023/03/03