出版社内容情報
昨年「『抗がん剤は効かない』の罪」を上梓した医師による、「抗ガン剤だけはやめなさい」の著者近藤誠医師への反論第2弾。医者がデマを流すのはもちろん罪。それを医者が放置しているのもまた罪。最前線の腫瘍内科医として、現代医療を否定することに警鐘を鳴らし、命を縮めないための47の科学的心得を分かり易く解説。
内容説明
最前線のがん専門医による臨床現場からの警告。医者の極論で命を縮めないために読んでください。
目次
序章 近藤誠医師は功績を残したはずなのに
第1章 「がんもどき理論」の嘘
第2章 「がん放置療法」の嘘
第3章 「抗がん剤は効かない」の嘘
第4章 「データ解釈」の嘘
最終章 近藤問題から何を学ぶべきか?―患者さんの笑顔と希望のために
著者等紹介
勝俣範之[カツマタノリユキ]
1963年、山梨県生まれ。88年、富山医科薬科大学卒業。92年より、国立がんセンター中央病院内科レジデント。その後、同センター専門修練医、第一領域外来部乳腺科医員を経て2003年、同薬物療法部薬物療法室医長。04年、ハーバード大学公衆衛生院短期留学。10年、国立がん研究センター中央病院乳腺科・腫瘍内科外科医長、11年より日本医科大学武蔵小杉病院腫瘍内科教授。専門は、内科腫瘍学全般、抗がん剤の支持療法、臨床試験、EBM、がん患者とのコミュニケーション、がんサバイバー支援など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ニッポニア
44
やはり選択肢を提示すること、でしょうか。医療側の立場から、正確に判断できる医師がいる一方で、多くは不慣れであり、長けていない。だから誤診も発生する、当然。全員が最先端の医療を受けられるのであればそちらに身を投じることもできるけれど、不可能なのだから、戦わない選択肢は大いにある。以下メモ。知識は力。抗がん剤も使いようにとっては良い薬になる。やらないことによるデメリットの方が大きい。一般医は不十分な抗がん剤治療になりやすい、誤診で治せるがんを見逃している。2025/01/25
くさてる
16
現場で患者さんと向き合っている医師ならではの真摯な姿勢で、いま世にはびこっている「医療否定本」の中身を分析解説し、迷っている患者さんに寄り添った内容。「治らない病と向き合う」ということをはっきり明言する勇気を、わたしはかえって力強いものだと思います。同時に「知識は力」だから。癌治療そのものについての解説も分かりやすく、読みやすい本だと思います。おすすめ。2015/07/22
チャー
14
医療費否定本に記された内容を精査しデータを用いた話の展開の仕方や極端に医療を否定する主張に警鐘を鳴らした本。別途主張されている治療法の否定に真っ向から向き合い、著者の視点でからの説明がされている。病気になったときは改善したい一心で医療にかかるが、患者は基本的にわからない。大切なのは担当医と適度に会話を取り、良好な関係を気付きながら改善を目指すということであると感じた。これをすれば100%良いは日常同様医療でもありえない。難しいグラフの別の見方を解説し、賛否の両面を伝える本書は違う視点が得られ参考になる。2021/11/23
白義
10
がん治療というのはとかくトンデモインチキ療法がはびこりやすいがその中でも最たるものが「患者よ、がんと戦うな」で有名な近藤誠医師の放置療法だろう。抗がん剤や放射線治療など既存のがん治療を批判し、がんは早期発見しても放置すればいいという近藤理論はがんやがん治療に伴う副作用に怯える患者にはカンダタの蜘蛛の糸のような存在に映り人気を集めているが、その骨子は極めて根拠薄弱なもの。本書はかつて近藤誠から教わったことがあるという腫瘍内科医による、かつての業績への敬意も込めた近藤理論徹底批判本。類書の中では最も冷静で明晰2017/08/28
ボル
9
「医者に殺されない○○」の近藤誠医師の否定本。但し近藤誠医師の功績も書かれているが、検証を行った上で反論している。がんもどきの検証など、腫瘍内科での話が主である。情報が溢れすぎで、とんでも本などが多いので、色々調べてみることにしました。バリデーション(妥当性)確認のため、3つ以上の具体的事象を検証する方法があり、そういった目で物事を見る癖がついているので、今回もその一つとして行った。解りやすかった。2019/09/16
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