内容説明
帝人事件とは…1934年に始まる帝国人造絹株式会社(帝人)の株を巡る贈収賄事件。財界人から高級官僚、閣僚まで16人が起訴された。証人の数は予審喚問で185人、公判で140人に上り、公判開廷数は実に265回に及んだ。帝人事件は、裁判史上空前の規模で展開された大疑獄事件であり、財界人、政治家、官僚のそれぞれの思惑が激しく衝突した人間ドラマである。
著者等紹介
波多野聖[ハタノショウ]
大阪府出身。一橋大学法学部卒業後、内外の金融機関に勤務。日本株運用のファンドマネージャーとして活躍。本名・藤原敬之としての著書もある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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下町ロコモーティブ
7
実名が多く使われていてドキュメンタリーの様。残念ながら、「メガバンク最終決戦」と異なり、引き込まられる所は少なかった。余談だが表紙などに疑獄をGIGOKUと英字を用いる事は装幀センスを疑ってしまう。2016/03/12
sayan
3
関わる人間のそれぞれの思惑や落とし所をめぐっての駆け引きが面白かった。2016/06/20
いいちゃん07
2
有名な事件の名前は知ってしましたが、内容と歴史は全く知りませんでした。 登場人物な実名で出ているので、「あ、知ってる名前だ」と興味深い読めました。 大正8年(1919年)から昭和12年(1937年)まで金融、株式、会社経営に秀でた方々の偉人伝としても読めます。 帝人=帝国人造絹糸株式会社。 人造絹糸(レーヨン)2016/09/10
mochizo
2
鈴木商店という戦前にあった商社と帝人の関係があった人物の物語なのですが、本当にこんな疑獄事件が戦前にあったのですね。また、戦前の方が政治家、経営者、官僚を含めて大物っぽい気もします。一度読んでみる価値はあります。戦前の歴史を知る上でも。そして、この事件もその後の第二次世界大戦への導入に当たる事件のような気がしますね。2015/05/21
としき
2
戦前にこんな疑獄事件があったとは知らなかった。本当は「帝銀事件」と勘違いして借りた本だった。政界と財界の癒着、検察の強引な調査、7、80年前の事件とはおもえなかった。この本は昨年11月に発刊されたばかりの本だが、作者はアベノミックスと浮かれている日本の経済に警鐘を鳴らしたのかもしれない。2013/02/10
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