内容説明
危機に瀕したアシュリー上院議員は、その政治力をフルに発揮する。国の政策としてダニエルが進める遺伝子組み換え実験を阻止する裏で、彼に取り引きを持ちかけ、開発中の治療法を自分に施すように要求したのだ。こうして2人の男の目的が合致し、運命の歯車が動きだす。しかも、キリスト教保守派のアシュリーは、治療に使う遺伝子に、宗教的遺物を使えという驚くべき条件を出してきた―医学サスペンスの巨匠ロビン・クック、待望の日本復活!最高傑作と絶賛されたノンストップ・スリラー。
著者等紹介
クック,ロビン[クック,ロビン][Cook,Robin]
1940年ニューヨーク生まれ。ウェスレイアン大学卒業後、コロンビア大学で医学を修め、クストー海洋学研究所にも学ぶ。外科医となった後、海軍で潜水艦に搭乗、深海居住実験にも参加する。退役後、ハーヴァード大学で眼科医となる。77年に発表した『コーマ―昏睡』が大ヒットし、医学サスペンスの第一人者となる。インターネット企業やスポーツ・ビジネスでも活躍
川副智子[カワゾエトモコ]
翻訳家。早稲田大学文学部卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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niaruni
4
それなりに波瀾万丈、それなりに蘊蓄、それなりに納得する結末…ではあるのだけれど。主人公のふたりにあまり魅力がないような。むしろ、ある意味敵役の上院議員のほうが人間としては面白かったりして。全体的には、うーん、なんとも言えない感じ。決してつまらなくはないから、わあっと一気に読んで、このボリュームを読み終えた達成感に虚脱する、という読み方がいいのかも。2012/07/30
菱沼
2
ウィンゲート・クリニックを舞台にした『ショックー卵子提供』を読んだのは、もうそんなに昔だったのかと改めて思った。これだけ時間があいたのは、ハヤカワでロビン・クックを訳してきた林克己さんが高齢だから(105歳!)だったのだろうか。ご自身も医者である林さんの訳文に慣れていた私としては、今回の訳文がどうにも気になる。「○○した。××だったから。」という組み合わせの文章が多用されており、もう少し日本語をなんとかできないものかと感じた。そして文章のせいだけでなく、クックは昔の方が面白かった気がする。2018/04/02
Sonny
2
まさかの、主人公死亡……。ただ、主人公ふたりとも魅力的でないから、それもありかなー。出てくる人がみんな、悪い意味でばかっぽいし、ミステリかと訊かれれば、別に謎解きもないし、聖骸布が出てきても、歴史ものというわけでもないし、どこをとってもなんか中途半端。最後の砦、医療ものとしてはどうかと言われれば。そこはおもしろかったんだけど、妙に浮いてるし。2012/08/16
あきぴー@武蔵国
1
ひさびさ(10年振りらしい)のロビン・クックの作品なので楽しみにしていたのに、あまり楽しめなかった。多分、主人公達が魅力不足で共感できないからだろう…iPS細胞が実用化されていくなかで倫理観とどう折り合うかは、難しい問題ですね。★★☆☆☆2014/01/18
旅猫
1
ノン・ストップで進んだ物語が、あっけなく巻くを閉じた感じの肩透かしですが・・・結末はこういう方法でしかつけられないんでしょうかね。それこそ、デウス・エクス・マキーナの登場で。2013/04/14