内容説明
魔法や魔物が実在する現代世界。最凶の存在=ヴァンパイアと、人間が全面衝突した“ヴードゥー戦争”は、かろうじて人間の勝利に終わったが、人口は激減し、郊外には危険な“悪しき場所”が点在する。「魔物対策部隊」が治安維持にあたっているが、恐怖はおさまらない―そんな世界の片隅の町に、家族経営のコーヒーハウスがある。店の名物は、サンシャインと呼ばれる女性が作る、すてきなパンの数々だ。ある夜、サンシャインは馬鹿な行動をしてしまう。ひとりで郊外へドライブに出かけたのだ…。
著者等紹介
マッキンリイ,ロビン[マッキンリイ,ロビン][McKinley,Robin]
オハイオ生まれ。父が軍人だったためたびたび引っ越しをし、日本にも滞在。1978年、作家デビュー。編集者や教師として働くかたわら、ファンタジー小説を発表。『英雄と王冠』(早川書房)でニューベリー賞受賞。『サンシャイン&ヴァンパイア』でミソピーイク賞を受賞。現在は、夫である作家ピーター・ディキンスンとともに英国に在住
藤井喜美枝[フジイキミエ]
筑波大学卒。英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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アカツキ
11
魔法や魔物が存在する世界。ヴァンパイアと人間の大戦争で人間側が辛勝するも人口が激減、未だに危険な場所が点在しているという現代。田舎町でパン職人をしているサンシャインは夜に一人で郊外へ出掛けてヴァンパイアの集団に誘拐されてしまう。館に監禁されたヴァンパイア・コンスタンティンの餌にされるも彼が求めたのは物語で…。サンシャインが思いの向くまま話を垂れ流すおかげで世界観や人間関係がわかるけれど、ちょっとテンポが悪い。今のところロマンス要素はほとんどない。2021/03/26
youyou88
7
感想は下巻で2022/08/30
Ribes triste
7
家族経営のコーヒーハウスでパン職人として働くレイは、ある晩誘拐され、廃墟に監禁される。彼女がそこで出会ったのは、とても紳士なヴァンパイア。魔法と魔物が存在するパラレルワールド譚。面白い。そしてレイの作る巨大なシナモンロールやケーキが食べたくなる。「美味しいものをお腹いっぱい食べさせて、ひとを幸せにしたい」というレイの思いが私は好きです。2019/02/20
竜王五代の人
2
かなり厚めの文庫本ながら、中身は2章に分かれているだけで、べたーっと一人称の喋りが続くので区切りと言うものがない独特の文章である。マッキンリイはこんな文章書く人だったかな? コンとボーが敵対する理由は何か? コンは確かに紳士的だけど、本当に信頼に値するのか? ブレイズ家とは? と言った世界設定がぼんやりしたままずーっと話が続くのは驚きでもある。2021/10/09
沙月
2
大人向けファンタジーであって、パラノーマル・ロマンスではない。物語は、ヒロインがぶつぶつ独り言を言うかのように、一人称で世界観を説明しつつ捻りのあるユーモアを交えて進行していく。それでなくとも一人称で読みにくいのに、ユーモアが捻ってあるせいで忍耐を強いられる。どちらかと言えばヒロインの思考がだらだらと続くような物語で、スピード感も起伏もない、日記のような物語になっていて、眠くなる。ここら辺は下巻に期待か。2011/02/20