内容説明
アメリカ中西部の小都市の朝。警官のマックスとバンクがデニーズで変わりばえのしない朝食を待っていた。その時、警察無線が少女の失踪を報じた。夜勤明けの二人は招集に応じる義務はなかったが、バンクはマックスを引っ張るように少女の家に向かい、母親の前で号泣した。マックスには解っていた。バンクの娘も七年前に失踪していたのだ。だが、バンクの涙にはもっと深い意味があったのだ。二件の失踪事件は複雑に呼応し、警くべき真相に到達することになる。『ラスト・サンクチュアリ』の著者が放つ重厚な警察小説。
著者等紹介
ホールデン,クレイグ[Holden,Cralg]
オハイオ州トレド出身。作品に『リバー・ソロー』(扶桑社ミステリー)『ラスト・サンクチュアリ』(扶桑社四六判)がある。本書は3作目
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感想・レビュー
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あっちゃん
26
刑事のバディものが最近では逆に新鮮(笑)少女失踪事件を追う刑事の片方も過去に娘が失踪していて…事件そのものより人物が描かれている!それにしても翻訳が気になる( ̄ー ̄)2024/10/06
けいちゃっぷ
7
参った。読むべし。2008/12/24
ワット
3
現在起こった少女失踪事件と、七年前の同様の失踪事件が交互に語られていく。途中から過去の恋愛模様、主人公の少年時代の記憶が加算されてストーリーにさらに深みを持たせていく・・・、重厚な本格警察ミステリー。楽しめました。初めての作家でリサイクル市で手に入れた本。期待していなかったが、こんなに読みごたえがあるなんて!!2020/03/02
正位置
3
ある少女失踪事件を警察官コンビが捜査する。コンビの片方の娘も過去に行方不明になったままとという経緯があり、ふたりは特別な思いを胸に捜査に臨む――、という感じ。現在と過去とが入り交じるので、ややこしさと読みにくさを感じる。終盤、明らかになる真相と登場人物の苦悩を思うとやるせなさ残るが、その重々しさもまたよい。2013/06/22
聖月
3
〇本書の構成は、過去のバンクの娘の誘拐事件と、現在の少女誘拐事件の様子が並行して展開される。面白いのだが、その二つの事件のどちらを描写しているのか何の説明もなく、描写が現在と過去をめまぐるしく行き交うので、読み手は少し戸惑いを覚えるだろう。各章をある程度読み進めていくと、現在の話なのか、過去の話なのかわかってくるのだが2003/03/05