内容説明
草野心平の生命力あふれる名詩が絵本になりました。カエルのごびらっふのひとりごと「るてえるびるもれとりりがいく。」ではじまる全編がカエル語の詩と、草野心平自身による日本語訳を声にだして、あふれる生命力を感じてください。
著者等紹介
草野心平[クサノシンペイ]
1903年、福島県生まれ。詩人。磐城中学校、慶応普通部いずれも中退。中国に渡り、嶺南大学に学ぶが卒業直前中退。1925年帰国。雑誌「銅鑼」を主催し宮沢賢治らの紹介に努める。大正時代から詩を書き始め、蛙を題材とした作品を多数発表した。その他、富士山を題材とした「富岳百景」など多くの作品を残す。1987年、文化勲章受章。1988年没
いちかわなつこ[イチカワナツコ]
1974年生まれ。千葉県出身
齋藤孝[サイトウタカシ]
1960年、静岡県生まれ。東京大学法学部卒。明治大学文学部教授。専攻は教育学、身体論、コミュニケーション技法(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
gtn
24
「われわれはただたわいない幸福をこそうれしいとする」とカエルに言わせる著者。地上で最も永い歴史を生き抜いてきたカエルの英知に、著者は敬意を表している。2020/08/30
anne@灯れ松明の火
20
このシリーズの「初恋」を、りんどうの会で読み、一緒に群読したら喜ばれたので、次の候補として、借りた。が、これは難しい(笑) 練習を聞いていた夫が「それ、何語?」「カエル語(笑)」 最後には、本人による「日本語訳」も付いている。心平には、カエルの鳴き声がこんなふうに聞こえ、これほどメッセージ性の高い詩を生み出したのか。素晴らしいけれど、読み聞かせは難しい。いちかわなつこさんの絵もかわいらしく、温かい。齋藤孝さんの解説もいい。「るてえる びる もれとりり がいく」=「幸福といふものはたわいなくつていいものだ」2023/06/18
ume 改め saryo
18
うそー!! 蛙語!? 不思議な翻訳?絵本(笑)(^^)長閑なイラストに魅かれて、手にとっては見たものの、解説読むまで(^^; 面白い発想!!(^^)2012/06/22
hamham
16
『ぐうら しありるだ けんた るてえる とれかんだ。いい げるせいた。 でるけ ぷりむ かににん りんり。おりぢぐらん う ぐうて たんたけえる。びる さりを とうかんてりを。 いい びりやん げるせえた。ばらあら ばあら。《われわれはただたわいない幸福をこそうれしいとする。 ああ虹が。俺の孤独に虹がみえる。 おれの単簡な脳の組織は。 言はば即ち天である。 美しい虹だ。 ばらあら ばあら》』 北村薫「スキップ」から連鎖読書。音色多彩な蛙語。YouTubeなどで蛙の鳴き声を聞きながら読むといい感じだ。2015/02/11
あおい
15
「るてえる びる もれとりり がいく」蛙語で書かれている蛙のごびらっふの独り言。不思議な味わいの絵本。最後に日本語訳も載ってます。2017/08/18