出版社内容情報
1994年刊行の改訂新装版。
1962年、農薬の複合汚染を警告した『沈黙の春』は大論争をまきおこした。エコロジーと自然保護を初めて結びつけ、環境汚染を告発したカーソンは現代社会のあり方を大きく変えることになった。1994年刊行の改訂新装版。
【著者紹介】
『The Dark Ages: Life in the United States, 1945 to 1960』の著者であり、ほかにもアメリカの歴史、文化、生活について数多くの記事やエッセイを発表している。妻と娘とともにヴァーモント州に暮らし、二〇〇五年に死去。
内容説明
1962年、化学農薬の汚染を警告したレイチェル・カーソンの『沈黙の春』は、大論争を巻き起こした。エコロジーと自然保護を初めて関連づけて、環境汚染を告発したカーソンは、優れた海洋科学者の草分けでもあった。文学と科学を結びつけ、“自然に仕えた修道女”とよばれたカーソンの清廉な生涯をつづる。
目次
1 さわがしい春
2 スプリングデールのオアシス
3 運命とつながる海へ
4 ライフワークを見つける
5 海がベストセラーに
6 真実に直面して
7 カーソンの目に映った真実
8 伝説の人へ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬参仟縁
37
1988年初出。次世代が読みよいようにルビが多くふってある。『沈黙の春』を巡る論争は、農薬業界vs自然保護論者(6頁)。レイチェルは有能だったため、家の手伝いをし、森や野原をぶらついた。読書に没頭もしている。公立図書館から全部読み尽すほど。ピッツバーグから新たに渉猟している始末(36頁)。好奇心旺盛なレイチェル。彼女は海洋科学者になっていった(71頁写真)。『沈黙の春』執筆中、母他界とのこと(113頁)。私もまだ学位に到達していない。母親には風来坊のまま終わってしまい、悔恨の念。2016/04/16
Miho
10
人生のエッセンスは、「センスオブワンダー」(驚異に感激する感性)にある。2020/09/13
ぷーきん
6
12歳以上。レイチェル・カーソンの伝記。新装版が出た(2015年)ということで、手に取りました。『沈黙の春』の内容や意義、カーソンの生い立ちや人柄、科学者としての奮闘、文筆者としての大成など、分かりやすくまとめられています。中でも、『沈黙の春』の出版から、その後の論争をおうことで、彼女が人類の歴史にもたらした偉業を知ることができます。彼女が警鐘を鳴らさなければ、人間は自然に対して無責任であり続けたかもしれません。2017/04/19
ふみ
1
研究もして、本も書いて、そして自分の姪や家族を支えて、とても尊敬に値する女性です。この夏はカーソンの書いた著書もいろいろ読みたいです。2017/07/17
okatake
1
あの「沈黙の春」の著者の伝記。この著作は私の生まれる前に出版されたのですね。もう半世紀以上前。化学物質による環境汚染を世界に先駆けて世論に訴えたその勇気。そのバイタリティは素晴らしい。この書は、彼女の写真がふんだんに使われていて彼女の雰囲気を捉えることができて良かったです。2016/03/14