内容説明
借金持ちのホスト。そのわりに必死さに乏しい、飄然とした遊佐省吾。彼の元に、ある日、某社長令息の子守りという高報酬の仕事が舞い込んだ。楽な仕事だ。遊佐はそう高を括り、即応じた。が、あまりに華奢な体、色のない髪、意思を灯さぬガラスの瞳―相手はまさに生きた人形だった。堂薗眞木。彼は一体なぜこんな状態なのか。一言も喋らず、感情に揺れることもない。それを是とする堂薗家の禁忌の秘密とは―。茨邸の眠り姫に捧ぐ、全身全霊の奉仕愛。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たべもも
11
★★★★☆。作家買い。モルグっぽいのを期待しましたが、肉親の愛憎劇みたいでモルグよりドロドロな印象。攻めの世話焼き具合が愛情溢れていて良かったです。イラストが合っていました。2014/09/21
いいちゃん
7
槇木が遊佐に心開いていく様子に萌えた。動物が飼い主に懐いていくような…?ベルト外す程部屋に持ち込む物に神経質になってるのに、何でハサミが持ち込めるんだー?と思ったけど、まぁ、いっか(笑)2015/03/05
こたりん
7
うーーん、なだか消化不良。これでもかっ! の悲惨な受けの境遇。ホストの遊佐が心をなくした人形のように眠ってしまった眞木の心を起こしていくお話なんだけど。不幸な境遇やら人間関係(三島のこととか)あまりに余分に重ねていて、なんだかなぁと。だって、こんな子供みたいな子と母親の…なんて、想像できないし、母親が異常なまでに執着っていうけどさ、最期のあのあっさり感にええーーーっ?? と。三島とのエピとか意味不明だし…。つっこみドコはあれこれあるけど、出来る過ぎる秘書:田中さんのキャラがよかったので相殺するわ。2010/11/10
スピカ
5
前作が好きなので、どうしても無意識に比べてしまってちょっと損した気分になる。充分面白かったんですけどね。受け眞木が少しずつ遊佐に心を開いていく様子が、読んでるこっちにも嬉しくなった。終盤の『こわい…こわくない』と1人で立ち向かう姿には胸を打たれます。ただ、トラウマの要因となった母親の異常愛やら、三島の存在やら…いまいちピンとこなかったなぁ。結構あっさりと遊佐に打ち解けたような印象も残る。真性の受けっぽい眞木だけに性的な違和感も…。でも唯一無二の存在って設定は大好きなのでその辺りは楽しめました◎2010/10/17
なめさち
5
過去が原因で“人形”になってしまう受けっていうのが、すごく好きな方なんでしょうか?? 攻めが献身的に愛情を注ぎ、それによって受けが次第に心を開いていく展開はなかなか楽しめました。 が、そうなった原因が………。私には違和感が残ってしまいました。(受けの外見とか性格からして、アノ状況が想像出来ないっ) 2009/12/19