出版社内容情報
貸本屋の虎吉、戯作者の九玲彬に、掛け軸から夜な夜な真っ白な顔の女が現れるという恐ろしい相談が持ち込まれた。絵師の英の助けを借りて軸を調べた二人だったが…。江戸の四季を温かく描く連作短編。
2015年7月刊。
内容説明
貸本屋の虎吉は、浅草寺門前水茶屋の看板娘、おれんから、「花番付」騒動の相談を持ちかけられる。おれんは浅草二十軒茶屋三大小町のひとりと名高い娘。が、別の小町ふたりの茶屋で食あたりが出、口さがない男たちに、おれんの店が何かしたのでは、とあらぬ疑いをかけられたのだ。虎吉は戯作者九玲彬とともに真相究明に乗り出す。文庫書き下ろし。
著者等紹介
深沢美潮[フカザワミシオ]
武蔵野美術大学卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ともとも
31
季節、時代を感じさせながらも、 さらには、個性豊かな登場人物たちの、いきいきとした表現と 活躍も手伝ってか、ミステリーや冒険モノの様なハラハラ感、 そして、ちょっぴり不可思議であり、人情ものの様なほっこりした感じなどと 自由な感じで描かれていて、とても楽しく読むことが出来ました。 この作品でも人との程よい距離感から、強き絆をも感じさせる、 とても、素敵な1冊で良かったです。2015/08/22
絳楸蘭
20
序列をつけるとなった途端、本人の意志はどうであれ周りが騒ぐのはいつの時代もどんな時も変わらないものだなぁ…と。今回は寅吉がなぜ貸本屋をしているのかという理由がわかった。こうして巻が進むごとにいろんなことがわかるようになっていくのかな?幸せになってもらいたいものだ。2015/07/23
あかつき号
11
初著者。時代ものだが、主人公たちは飄々としている。戯作者・九玲彬は、美丈夫だけどおっとりしてたり幽霊が怖かったり、へたれなところがむしろ魅力的。ただ、生活感はないので、高校生漫画みたい。お話はしっとりしているので、続刊楽しみ。2017/06/15
たみ
11
キャラクター&エンタメ特化のネコろんで読める時代小説[招き猫文庫]江戸の貸本屋と戯作者のコンビが活躍するシリーズ2巻目。お調子者だけど頼りになる貸本屋:虎吉、剣はピカイチなのにどっか情けない旗本九男坊で戯作者:九玲彬。前巻で妖怪っぽいのが出て来たのでこういう路線もありなのか~って正座待ちしていたら今回もそれ路線がちらほらヤッホーイ!ぼた餅って夏は「夜船」冬は「北窓」って呼ぶんですねえ。小豆ってビタミンB1で疲労回復・夏バテにも効くらしいし、お茶&ミニ夜船と洒落こむのもオツかもしれませんな。ビタミンとるべ!2015/08/11
岡本匠
10
神戸の古本屋、ワールド エンズ ガーデンで購入。「ぷらっと黄表紙」というシリーズ名と先日読んだ「雪の殿様」と同じレーベルである「招き猫文庫」にひかれたのだけれど、読み始めようとすると、作者が深沢美潮!全然意識していなかった。結果として同じ作者を続けて読む事になった。縁があるから読書は楽しい。それだけでも、作者をお気に入りに入れてもいい気がする。2016/04/19