出版社内容情報
妖怪学者の山科春記が初めて安倍家を訪れた時、中学生の祥明は書庫で『諸国百物語』に読み耽っていた。お蔵出しエピソード満載!
内容説明
安倍家は男子が育ちにくく、祥明の父も祖父も、その蔵書に目がくらんで婿入りした貧乏学者である。初めて叔母のいる国立の安倍家を訪れた山科春記も、妖怪学を研究する身から、書庫が羨ましくて仕方がない。そして、初めて会った叔母の息子、中学生の祥明少年が書庫で読みふけっていたのは、稀少な『諸国百物語』の原本で…。くせもの揃いの登場人物たちが次から次にあらわれる、今昔のお蔵出しエピソード満載!
著者等紹介
天野頌子[アマノショウコ]
長崎県佐世保市生まれ、東京外国語大学ドイツ語学科卒業。らいとすたっふ小説塾を経て、2005年『警視庁幽霊係』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
雅
55
スピンオフの短編集でした。クスッと笑えてほっこり心温まる内容で読んで良かったと思いました。2019/12/01
はにこ
53
このシリーズに戻ったのが久々だったのでこの人誰だったかなというのが多かったけど、読みながら思い出せた。祖父母の話良かったなぁ。孫が狐と分かっても受け入れる懐の深さが素敵。こうやって愛されてきたんだなぁとしみじみ思う。前回の学園祭も視点が変わるとまた面白いね。クライマックスに向かって、登場人物への理解も深まり、さらに楽しみになった。2024/08/24
たぁ。
40
よろず占い処のスピンオフ短編集。今までのストーリーと重ねながら、「そういうことだったんだぁ」とうなずいたりしながら、読みました。3歳の瞬太が可愛いかった。瞬太の正体を知っても知らんぷりしてくれたじじばばも、ナイス!2021/12/21
はる
34
今までに出てきた人達の陰での努力や思いを書いたスピンオフ。みんなが小さかった頃の話や出会いの経緯まで入っていたので大満足です。次は本編に戻るようなのでこちらも楽しみです。2019/12/28
ヤクモ
33
シリーズ第12弾。いよいよ本編も卒業に向けて佳境かと思いきや、様々な登場人物の過去や裏話を集めた、百物語とまではいきませんが、10篇のスピンオフ集。まだ中学生のヨシアキ少年と山科春記の出会いや、瑠海と伸一の馴れ初め話、みんなの憧れの倉橋令と三井さんの親友物語、3年の文化祭で話題になったパコソン部のアニメ制作が間に合うかという企画記事の制作裏話、クラブドルチェの雅人と燐のハロウィンパーティー、そして遂に葛城さんの下の名前(小志郎)が判明など。 まぁ、次巻は本編が進みますかね。2020/02/15