出版社内容情報
初恋相手が町に引っ越してきたことを知った平本秋宏は、どぎまぎするが……。町のポストマンが織りなすハートフルストーリー!郵便配達員・平本秋宏の初恋相手がみつばの町に引っ越して来た。転入通知をみてどぎまぎする秋宏は、配達人と受取人の関係にすぎないと心を落ち着かせようとするが……。懐かしい人生が交錯するハートフルストーリー、人気シリーズ第5弾! 「トレーラーのトレーダー」「巨大も小を兼ねる」「おしまいのハガキ」「奇蹟がめぐる町」の4話を収録。
小野寺 史宜[オノデラフミノリ]
著・文・その他
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kanegon69@凍結中
139
シリーズ第5巻。郵便局の配達員、日々起こる小さな出来事、心の受け止め方次第で結果は大きく変わるはずなのに、主人公の温かくて穏やで流されない芯のある人間が故に積み重なって奇蹟と感じるのではないだろうか。いや、これを奇蹟と捉えられる心こそが大切なのだろう。小さな幸せや感謝すべきことは見逃しがちで忘れやすい。累積して幸せな気分を感じることもなかなか難しいものだ。それが出来る主人公の考え方、生き方に共感する。特別な事が起きない小説?いや、こういう心持ちで街の人々と接することができることがもはや特別で、奇蹟なのだ。2020/07/12
おしゃべりメガネ
135
前回読んでから一年半ちょっとしか経ってないからか、さすがに大体の話は憶えていました。主人公「秋宏」も30手前となり、「たまき」との付き合いも4年になります。新たに登場する人もいれば、初回から準レギュラー状態で登場してる方もおり、そういった個性豊か&溢れる皆さんがしっかりと本シリーズを支えているんだなと。今作ではアルバイトの科目な大学生「五味」君がナイスでした。彼が引き起こしてしまうちょっとした出来事が結果的に、とてもほっこりさせてくれるステキなお話に。マンネリといえばマンネリですが、これはこれでよしです。2020/11/29
初美マリン
130
確かに町は生きている、人はそれぞれの暮らしを生きてそして繋がっている。2021/02/11
おしゃべりメガネ
126
シリーズ5作目となり、シリーズスタートから五年の歳月が流れようとしています。今となっては小路さんの『東京バンドワゴン』シリーズと同じくらい、読むのが楽しみなシリーズになってます。お馴染みの「泉」さんもしっかりと登場し、「秋宏」とのやりとりは作品を重ねるごとに深くなっています。地味にこの二人の会話が、本当にココロに響くので大好きなシーンです。「谷」さんも登場は少なめでしたが、いい意味でキャラも少し丸くなり、ホッとさせてくれます。「たまき」も関わり4年が経ち、30近くなって、そろそろ'変化'がある頃なのかな。2019/03/20
ウッディ
118
世界一優しい郵便さんではないかと思う平本秋宏のシリーズ第5弾。アルバイトの五味君の誤配をフォローしたり、トレーラーハウスの空き巣と出くわしたりと事件はありますが、すべて結果オーライに落ち着くのは、秋宏の日頃の行いからか。今回、秋宏の初恋の人、出口愛加さんと再開し、微妙な距離感から一歩踏み出し、彼女のたまきさんとの三角関係勃発かと、少しドキドキしましたが、相変わらずの神対応に感心することしきり。個人的には片岡泉さんとのやり取りが大好きで、彼女の雑さと秋宏の丁寧さが見事にかみ合って、名人芸の漫才のようでした。2024/10/21
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