出版社内容情報
最新作『そして父になる』が、2013年カンヌ映画祭審査員賞受賞。いま最も熱い注目を集める是枝裕和監督の初エッセイ集!
目次
1章 映像の周辺で
2章 日々の風景
3章 遠くて近い
4章 役者を巡って
5章 メディアの間で
6章 悼む
7章 3月11日、それから
著者等紹介
是枝裕和[コレエダヒロカズ]
映画監督、テレビディレクター。1962年、東京生まれ。87年に早稲田大学第一文学部文芸学科卒業後、テレビマンユニオンに参加。主にドキュメンタリー番組の演出を手掛ける。95年、初監督映画『幻の光』がヴェネツィア国際映画祭で金のオゼッラ賞受賞。2004年『誰も知らない』がカンヌ国際映画祭史上最年少の最優秀男優賞(柳楽優弥)受賞。12年、初の連続ドラマ『ゴーイングマイホーム』(関西テレビ・フジテレビ系)で全話脚本・演出・編集を手掛ける。13年秋公開の福山雅治主演『そして父になる』は、第66回カンヌ国際映画祭審査員賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
なゆ
68
引き続き、是枝監督に迫る。「映画を撮りながら考えたこと」よりもさらりと。映画にまつわる話は当然だけど、もっと俯瞰して、メディアに対してのもどかしさを痛烈に書かれているところが拍手。。モヤモヤと感じてたことを、よくぞ言葉に!“放送を含むメディアは、遊牧民であるべきだと僕は考えている”から始まり、“メディアは政府の広報であり、(中略)率先して犯人探しに協力し、司法に先立って社会的(世間的)制裁を加えてしまう”の章は、もっと広く読まれるといいのにと思う。エッセイには、映画で描きたいコトとは別の本音が見える。2018/07/06
ぶんこ
62
映画を観る時に、監督は誰かを気にした事がなかったのですが、是枝監督作品は観ていない事に気付きました。エッセイを読んでいると、全部観たくなってきます。「台詞が終わったあとの(・・・・・)の部分が持つ余韻。その時間が映画の世界のトーンを決定づける」と書かれてあるのを読んで、益々観たくなりました。2016/03/26
ちょろんこ*勉強のため休止中
44
ヒットな一冊!!たまたま開いたページに「占いと血液型占いが嫌い」とあって、自分と同じだなあとつい借りてしまいました。世界が不完全であるから豊かである、という一文が好き。善悪をはっきりさせず、複雑なことを複雑なまま伝えているスタンスの彼の作品は好みが分かれると思います。でも最後に希望の光が見えて、人間に対する愛情を感じられるので私は好きです。短い文章に伝えたいことがぎゅっとつまっていて、理解しやすいのに深い本だと思いました。またイラストがとっても可愛い!!やっぱり世の中は愛がなくちゃね(´∀`*)2013/11/26
がいむ
42
是枝監督の作品はいくつか観ているけど、いちばん印象的なのはやはり『誰も知らない』。衝撃的な内容の割に誰のことも悪く描いてないところが心に残っている。そのことにも少し触れられているこのエッセイ本は、地方新聞に連載されていたものが中心のせいか、やわらかいタッチで読みやすい。でも根は硬派というか、メディアに対しての考えや姿勢には理屈っぽい主張もみられます。(当然ですね)幼少期のことは、世代が近いこともあってうなづくこと多し。俳優さんたちのこともいろいろ書いてあるけど、YOUについての表現は大笑い^0^2014/04/19
けんとまん1007
37
歩くような速さで・・・のタイトルに惹かれた。そんなことを、時々、想うことがあるからだ。そうしないと、見えなくものが、あまりにも多くならからという危惧があるから。まあ、一方で、自分は走れないというのもあるからかもしれない。目線を変えることで、見える世界が違う。そんなことを考えた。監督の考え方というか、生き方がさりげなく拡がっている。だからこそ、受け入れられるし、素晴らしい人たちが集まってくるのだと思う。2017/06/04