出版社内容情報
さえない男子代表、中2・花岡勇気。保険代理店でのジョブトレーニングで少しずつ世界が変わって――。悩める少年のための青春物語。
なんでおれたち男子だけ、女子たちのこんな厳しい選別の目にさらされなきゃならないんだろう。
そんなの、おかしくね?
さえない男子代表、中学2年・花岡勇気。
勉強いまいち、バスケ部の監督にどなられ、
あこがれの中里さんのポニーテールを見つめるだけの毎日だけど、
保険代理店の今井さんと過ごしたジョブトレーニングの日々が、
すこしずつ勇気の中の何かを変えていった――。
1 ライフシミュレーション
2 人生は落とし穴に満ちている
3 ジョブトレーニング一日目
4 ジョブトレーニング二日目
5 ジョブトレーニング三日目
6 マロン
7 中里さん
8 雪の日の事故
あとがき
内容説明
花岡勇気、中学2年。オレは何に向かって進めばいいんだろう―!?偏屈な老人、当たり屋の少年、不審な自動車事故…保険代理店でのジョブトレーニングは、怖くて、しんどくて、最高にあったかい。悩める少年たちのための青春ストーリー。
著者等紹介
八束澄子[ヤツカスミコ]
広島県生まれ。『青春航路ふぇにっくす丸』(文溪堂)で日本児童文学者協会賞、『わたしの、好きな人』(講談社)で野間児童文芸賞受賞。季節風同人(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆみねこ
34
午後の眠い総合学習の時間に担任のドスコイ大木先生とともに教室に現れたのは、保険代理店の今井さん。自分のライフプランを作ってみようという課題に取り組む6人の男女中学生。出だしから面白くて引き込まれました。女子のおませなこと、理不尽な思いを抱く男子たち。女子の厳しい選別の目に曝される男子!ジョブトレーニングの3日間を今井さんと過ごした勇気の成長譚として楽しく読めました。おかんと勇気の姉が良い味を出している。田端少年の未来が明るいものでありますように!2013/08/01
ほたて
17
私が学生の時にはなかった行事、職場体験学習、もし私だったらどこを選ぶだろう、親の目線から子供にどんな選択をして欲しいと思うだろう。部活の監督にはうどの大木と呼ばれ、女子の厳しい目にさらされ、人生諦めがちな勇気が選んだ仕事は保険屋さん。保険屋さんの今井さんはいい人で、勇気の存在がお客さんの心をほぐしたり、暖かい心の交流もある反面、リアルお仕事の厳しさ、人間のいやらしさを目の当たりにして、いつ保険屋さんのすばらしさに気付くのだろうと思ってたけど、きっと言いたい事はそれじゃない、って読み終わって気付きました。2013/01/19
かいゆう
13
図書館の中学生へのオススメ本。将来の事なんてまだ何にも思いつかないやというような中2の勇気くん。3日間のジョブトレーニングを通じて、いろんなものが見えてくる。選んだ仕事は保険屋さん。誰かの安心や笑顔に繋がる喜びだったり、逆にどうにもできない痛みや悲しみだったり、保険屋の仕事というものの大変さを初めて知りました。中学生には厳しい仕事かなと思いましたが、誠実に人と接すること、人のために動くこと、外に目を向けると広い世界が見えてくることなどあって、子どもにも中学生になったら読んでもらいたいなと思う本でした。2015/03/28
如月小町
12
けっこう好きな本。将来に何になるかなんて、中学の時は考えもしなかった。勇気が将来どんな仕事につくかわからないけど、人に対して誠実であることの大切さを学べたことは大きいと思う。関係ないけど、今井さんに良いお嫁さんが来ればいいのになぁ。2014/07/29
ぴょこたん
11
中二の勇気が職業体験で選んだのは「保険屋」だった。保険のどろどろしたものを中学生男子が見ることによって前向きになる話、ってのはちょっとつらいな…。それと当たり屋っぽい少年の話もバスケ部の顧問の話もはっぴいえんどとしてはカタルシスが弱い。八束さんの武器が良くない方に出てしまったのかなあ?2013/07/17