出版社内容情報
ぼく、夢をみているんだろうか、それとも・・。空想少年ピーターのスリリングでちょっぴりせつない秘密の冒険。ブッカー賞作家が、子供と、むかし子供だったすべての人に贈るとっておきの物語。
内容説明
ぼく、夢をみているんだろうか、それとも…ふとしたはずみで想像の世界に心を奪われてしまう空想少年ピーターが遭遇する、スリリングで、おかしくて、そしてちょっぴりせつない秘密の冒険。現代イギリス文学界を代表する作家イアン・マキューアンが、子供と、むかし子供だったすべての人に心をこめて贈るとっておきの物語。
著者等紹介
マキューアン，イアン［マキューアン，イアン］［ＭｃＥｗａｎ，Ｉａｎ］
１９４８年イギリス、ハンプシャー生まれ。サセックス大学卒業、イースト・アングリア大学創作科修了。７５年にデビュー短編集『最初の恋、最後の儀式』でサマセット・モーム賞受賞。長編小説に『時間のなかの子供』（８７年度ウィットブレッド賞受賞）『アムステルダム』（９８年度ブッカー賞受賞）『贖罪』などがある。現代イギリス小説界を代表する作家の一人
真野泰［マノヤスシ］
１９６１年生まれ。学習院大学英米文学科助教授（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
どんぐり
61
マキューアン15冊目。主人公ピーター少年がみる夢を、魔物や恐怖観念などに取り憑かれた「オブセッション」の作品群。子どものみるへんてこりんな夢の数々を児童文学のスタイルで描いている。飼っているネコと自分のからだが入れ替わる「ネコ」、少年が芝生の上で寝転ぶ父親や母親のからだにクリームを塗って消してしまう「消えるクリーム」の2篇が面白い。「世にも不思議なアメージングストーリー」のオムニバスドラマのような感じ。2017/07/28
こばまり
47
児童書だから容易いだろうと思ったら大間違い。読む程に子供の頃の様々な記憶や感覚が蘇り、頭の中が楽しく忙しい。時折鼻の奥がツンとなるのは私が大人になったから。マキューアンが20年前にこんな作品を書いていたとは。2016/11/29
Vakira
42
イアン・マキューアンは2冊目「アムステルダム」が面白かったので読んでみる。これは児童向け。いいぞ～ピーター 主人公ピーターは11歳の少年。この原題は白昼夢。ピーター君の白昼夢。人形にされたり、猫になったり、たまに現実であったり、夢の体験をすることで相手の気持ちを理解したりする。大人が読んでも楽しめます。自分の少年時代が蘇って2度楽しい。11歳の僕の頭の中はゴジラとプラモと女の子。たまに宇宙。理科室の人体模型は女の子で恋しっちゃたり、蜘蛛になって一軒隣の5歳年上のおネイさんちの浴室へ・・ワォ変態少年 2019/04/25
kana
41
期待通りに好みの作品。少年がいろいろ考えて試行錯誤するお話はただそれだけで愛おしい。のだけどさすがブッカー賞を受賞した英国を代表する作家の作品なだけあり、子供の頃の妄想や疑問が、少年らしい語彙で瑞々しく柔らかく綴られていて、一話一話わくわく胸が躍ります。一方で同著者の「アムステルダム」のような皮肉の効き過ぎた普段の小説とのギャップが激しくて、何か恐ろしく不幸なことが急に起こらないか心配でしたが杞憂に終わりました。私も小さい頃(多分今も)ピーターみたいなこと考えてボーッとしていたので、懐かしい気持ちです。2021/12/31
kiisuke
37
こちらは「子どもにも理解できる言葉で書かれた子どもについての大人むけの本」のようです（筆者のことば、より）大きな大きな想像力の翼にのって空想少年ピーターが冒険する7つの物語。子どもだったころ目に映っていた今とは別の世界がふと蘇ってきてはっとさせられます。同じ世界にいきているもの同志でも、きっとそれぞれでいろいろな見え方をしているんだろうなぁ。。軽く面白く読めるけれどドキッとさせられる部分もあり、意外と深い一冊のような気がします。2015/08/14
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- 電子書籍
- 北海道人 松浦武四郎 講談社文庫
