内容説明
若きチェリスト・津島サトルは、芸高受験に失敗し、不本意ながら新生学園大学附属高校音楽科に進む。そこで、フルート専攻の伊藤慧やヴァイオリン専攻の南枝里子と出会った津島は、夏休みのオーケストラ合宿、初舞台、ピアノの北島先生と南とのトリオ結成、文化祭、オーケストラ発表会と、慌しい一年を過ごし…。本屋大賞にノミネートされるなど、単行本刊行時に称賛を浴びた青春音楽小説三部作、待望の文庫化。
著者等紹介
藤谷治[フジタニオサム]
1963年東京都生まれ。洗足学園高校音楽科、日本大学芸術学部映画学科卒業。2003年に『アンダンテ・モッツァレラ・チーズ』(小学館)でデビュー。08年、『いつか棺桶はやってくる』(小学館)が三島由紀夫賞候補になるなど、注目を集めている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
411
藤谷治は『あの日、マーラーが』に次いで2作目。本書も音楽を扱ったもの。主人公は高校1年生。ただし、後年の回想の形式をとっている。タイトルの意味は未だ不明。恋の場面では思わず胸が熱くなったり、演奏の場面では動悸が速くなって作品世界に引き込まれたり、後年に知ることになったバッハのコラールにしんみりとなったり。いやあ、年甲斐もなくワクワクしながら一気に読んだ。第1巻としてはハッピーエンドだが、2巻以降の展開には不穏な影が落ちる。即刻第2巻に。2019/06/03
射手座の天使あきちゃん
136
うへぇ、なにこれ!? 小生意気な主人公に理屈っぽい書き口、ちょっと無理・途中下車かなと思ったけど・・・ 北島先生&南さんとトリオを組んだあたりから惹き込まれて夢中で応援してました でもチェロ演奏も天賦の才、彼女との恋も順調って、絵に描いた書いたような青春音楽・恋愛小説、ちょっと羨ましいぞ!(笑) 続きも読みますよん♪2011/05/02
巨峰
82
がつんとくる青春音楽小説。主人公の高校生の男の子の自意識の強さや青い感じがなんとも生々しいんだけど小説の語り口にぴったりすぎる。読みだしたら止まらなくなること必至です。2020/05/31
ちょこまーぶる
66
とっても楽しく読んだ一冊でした。高校生になった音楽家一族のチェリストのサトルが高校受験の挫折から始まる音楽青春物語ですが、本人は不本意ながらも進んだ音大に入学してから、様々な音楽仲間や指導者と出会い、今まで独りよがりだったかもしれない音楽生活に楔が撃ち込まれて行く有様を読むにつれて、彼の音楽に対する姿勢が少しずつ変化していく過程にお付き合いできている事がとっても心地よい体験をさせてもらっています。そして、バイオリンの彼女との関係はどうなるのか?で、高校の舞台は僕の御贔屓音大の様です。次巻も楽しみです。2024/08/09
BlueBerry
58
このⅠは面白くてラストも爽快。ノダメみたいな感じで楽しめると思います。お勧めです。ただ、爽やかな本が好きだったらⅠだけで止めてⅡ以降は読まないという選択肢もあると思います。もう一度言います。Ⅰはお勧めですよ。2013/11/26
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