内容説明
父親から受けた誤解が元で誕生した、江戸を代表する義賊・ねずみ小僧。庶民の間に日増しに高まる名声は更なる“期待”へとエスカレートして…(「ねずみ小僧次郎吉」)。松本大洋の描くイラストが佳作・名作に新たな彩りを添える傑作時代小説集の第二弾。
著者等紹介
星新一[ホシシンイチ]
1926年東京生まれ。東京大学農学部卒業。68年『妄想銀行』で第21回日本推理作家協会賞受賞。ショートショートの第一人者として1001本を超える作品を発表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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KAZOO
39
星新一の時代小説集ですでに読んでいる「城の中のひと」からピックアップしたものです。ショートショートというよりも短編集で6編が収められています。星さんはあまり時代性を感じさせないものが多いのですがこれは江戸時代ということで移植だと思います。私は個人的には「ねずみ小僧次郎吉」が面白く感じました。2015/02/02
も
26
星新一さんの時代小説集第2弾。ねずみ小僧、藩医、仇討ち、遠島、生類憐れみの令、厄除けなど色々なテイストが入り交じった1冊。城内の話が多かった第1弾の「天」より読みやすく、どれも面白かった。生類憐れみの令に町中が大騒ぎの「元禄お犬さわぎ」がすきでした。2015/05/09
future4227
7
星新一の時代小説短編集第2弾。江戸幕府治世下のおかしな法や習慣が次々と出てくるのが面白い。それを逆手にとって、賢い人間が商売をしたり、出世したり。特に生類憐れみの令は史実に基づいているにも関わらず、まるで作り話のような笑える世界だ。また、江戸城内に泥棒が侵入しても、様々な取り決めや管轄に縛られて、なかなかくせ者を捕まえられない愚かさ。星新一の皮肉がたっぷりと効いた一冊だった。2015/01/14
ユウ
7
ショートショートというよりはショートという感じの長さで、ひとつの物語という感じがする。現代思考で江戸時代をみればこんな感じに仕上がりました。という感じかな。町人の思考がいちいち現代人っぽくてオモロイ。なんといっても一文一文が分かりやすい読みやすい。この文章を通して育ったなぁ…。なんて思いながら読み進めた。長い分、オチのきれ具合が悪いかな?2009/11/16
ikatin
6
いわゆる時代小説くささのない、軽妙な文章での時代ショート。本格時代小説ファンには物足りないだろうけど、私にはとてもフィットして一気に読み終えてしまいました。やっぱり小学生の時に教科書で出会って以来、星新一はわれわれの世代には欠かせない作家なんだと思います。2009/12/05