内容説明
英語が喋れない、仕事がない、友だちもいない―ないない尽くしでつらかった渡米当初、英語に慣れ、アメリカを知る道を開いたのは、一匹の猫だった。アメリカ在住の小説家が、誇り高い、深い湖のような色の瞳の猫、プリンとの日々をつづる。胸にぽっと灯のともるエッセイ。
目次
序章 窓の外はアメリカ
第1話 プリンがわが家にやってきた
第2話 プリン、ジマー先生のところへ行く
第3話 猫の仕事と遊びの時間
第4話 プリン、緊急入院&手術をする
第5話 結婚するなら、猫の好きな人
第6話 プリン、猫シッターのお世話になる
第7話 猫とその女たち
第8話 プリン、ウッドストックの森の猫になる
こぼれ話 猫と私の仕事部屋
文庫版あとがき 天使になったプリンへ
著者等紹介
小手鞠るい[コデマリルイ]
岡山県生まれ。同志社大学卒業。2005年に『欲しいのは、あなただけ』で、第12回島清恋愛文学賞を受賞。2009年、原作を手がけた絵本『ルウとリンデン 旅とおるすばん』(絵/北見葉胡)でボローニャ国際児童図書賞を受賞。米ニューヨーク州ウッドストック在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぶんこ
65
既読感があったのは、同じ内容の小説を読んでいたからだったのですね。知り合いが1人もいないところでの心細さを経験した事があるので、そんな時に猫がいたら救われるでしょう。プリンちゃん、ありがとう。小手鞠さんに少し食傷気味だったのですが、この本を読んで、そして解説を読んだら、以前のような「小手鞠さん好き」が戻りました。人種差別と思える場面で、毅然とした態度で対処した姿だったと書いてあり、ウルウル。こういう世界で暮らしていたら、プリンちゃんの存在は最強の味方ですね。2016/03/29
Rin
58
英語もうまく話せないなか、アメリカのイサカに移住した小手鞠さん。なれない環境のかな厳しい冬の雪、灰色の空。引きこもりそうな彼女を救ったのが新しく家族になった「ノルウェーの森の猫ことプリン」。小手鞠さんと旦那さんの喧嘩の仲裁も、落ち込んだ彼女を慰めるのもプリンの仕事。アメリカでの生活、人種差別と猫以外の様々なことも綴られている。でも、溢れんばかりのプリンへの愛。プリンの存在が人との繋がりを生んでいくことへの感謝が伝わってくる。猫本も紹介されているのが嬉しい。小手鞠さんは初読みでしたが、するすると読めました。2017/02/08
ひつじとうさぎ
51
国際結婚をした筆者が、慣れないアメリカでの生活に戸惑いながらも少しずつ馴染んでいく様子と、SPCA(動物愛護協会のような団体)から家族に迎えたノルウェジアン・フォレスト・キャットのプリンへの、愛情いっぱいの生活が綴られたエッセイ。「結婚するなら、猫の好きな人」間違いないと思う。2015/12/19
優希
40
飼い猫への愛情が凄く伝わってきました。慣れない異国の生活の中で、どれだけ癒しとなったことか。プリンへの手紙を読むと本当に大切な存在だったのがわかります。ほっこりあたたかい気持ちになると同時に愛犬のことを思い出しました。2021/09/15
Eee
29
猫のプリンと小手鞠さんのアメリカ生活に関するエッセイでした。 アンソロジーを読み、小手鞠さんに出会い、魅了され、手にとったのがこの本でした。 とても面白く、吸い込まれるエッセイでした! 異国で暮らす難しさと楽しさとが混ざり合った素敵な作品でした(^^)2014/06/26
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