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出版社内容情報
摂津の国の陰陽を占う安倍の保名は、ある日狩りの犬に追われた子狐を命をかけて救った。『説教節』の中の安倍清明伝説物語。
内容説明
「信太の狐」(一般的には「信太妻」という)は昔からよく知られている伝説ですが、「愛護若」、「山荘太夫」などとともに説経節の代表作としても親しまれてきました。説経節というのは江戸時代の前期頃までさかんであった語り物の一つで、やがて三味線や胡弓などの音楽にあわせて語る説経浄瑠璃となり、その後、人形芝居の浄瑠璃や歌舞伎にもなって広く普及しました。この本は浄瑠璃正本といわれる説経節をもとにして書かれたもので、「葛の葉物語」とも呼ばれるポピュラーな伝説をおもしろく読むことができます。
著者等紹介
さねとうあきら[サネトウアキラ]
1935年、東京に生まれる。早稲田大学在学中に創作戯曲『ふりむくなペドロ』で厚生大臣賞受賞。創作児童文学に『地べたっこさま』(日本児童文学者協会新人賞)『ジャンボコッコの伝記』(小学館文学賞)『東京石器人戦争』(サンケイ児童出版文化賞)他
宇野亜喜良[ウノアキラ]
1934年、名古屋に生まれる。1966年、東京イラストレーターズクラブ賞受賞。作品に『パリの扇』(講談社挿絵賞)『バーバラが歌っている』(サンリオ美術賞)『カモメの家』(赤い鳥挿絵賞)他、絵本、舞台美術、芸術監督など多方面に活躍中
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yomineko@ヴィタリにゃん
55
「信太」はしのだ、と読み、関西地方の地名らしい。信太明神という神様もいる。さて、子ぎつねを助けた安倍安名は石川右衛門に捉えられてしまう。助けてくれた僧侶は実は子ぎつねの親だった。しかし、助けられながらも深手を負った安名、美しい女性に介抱されやがて二人の間に童子という子どもが出来る。しかし、美しい女性の正体は狐。辛い別れとなってしまう。この童子の成長した姿は、後に平安時代に大活躍する安倍晴明である。宇野亜喜良さんの美しい絵も見もので、オススメです😊2024/04/20
よこたん
54
“われ、野干なれど 恩はわすれず” 子狐を助けられた親の心が痛いほどしみる。何の得があるでもなしに、安倍の保名がただただ必死で助けた小さな命は、瀕死の保名を救う。恩返しのつもりが、愛に変わり、授かる命。結末は知っての通りさみしくて仕方がないけれど、そのさみしさもまた、後の安倍の清明を育んだのだろう。宇野亜喜良さんの余白をいかした抑えた色味の絵がしっくりとくる。憂いをまとった父と母(美男美女)の、陰りを帯びた目の表情がたまらなくて、うっとり。子どもは今ひとつかわいくない。お揚げさんを信太という理由がわかる。2020/02/11
なお
39
『信太の狐』は『山椒大夫』等と共に説経節の代表作。『葛の葉物語』として歌舞伎等でも親しまれる。天文道を学ぶ安倍安名。泉州の信太明神への月参りの際、狩りをする男の手から小狐を助ける。手傷を負った安名は見知らぬ女性に介抱されいつしか夫婦に。可愛い童子も授かり幸せに暮らすが、ある時、女性は本性の狐の姿を我が子に見られ、「こいしくば たずねきてみよ いずみなる 信太の森のうらみ葛の葉」の歌を残して去って行く。母に会いたい一心で信太の森を懸命に探し歩く父子の姿は哀しい。天文博士の安倍晴明は童子の成長した姿だという。2024/01/17
FOTD
15
瞽女歌の「葛の葉子別れ」という演目をライブで何回か聴いていたので、内容はおよそわかっていた。親子の別れの悲しみばかり注目されがちだが、異類婚姻譚でもある。生まれた子供は、やがて安倍晴明となる。 先日読んだ『海幸彦 山幸彦』も異類婚姻譚だった。今年の正月は異類婚姻譚祭りか!?2025/01/08
遠い日
13
異類婚姻譚。有名な安倍晴明の出自の伝説。切ない母の愛が、胸を打つ。宇野亜喜良さんの絵の艶っぽさと相俟って、独特の世界にぐいと引きこまれる。2016/03/02
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