目次
第1章 貧困の概念・定義・基準に関する整理
第2章 貧困概念拡大の契機―共同性の広がりと深まり
第3章 貧困理論の変遷過程
第4章 社会政策における社会的排除概念
第5章 貧困理論とケイパビリティ・アプローチ
第6章 貧困理論の新たな展開
著者等紹介
志賀信夫[シガノブオ]
1982年生。一橋大学大学院社会学研究科博士後期課程修了。博士(社会学)。現在、大谷大学文学部助教(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ゆう。
26
著者は、絶対的貧困から相対的貧困へと貧困理論が発展し、現在では社会的排除へと貧困理論は発展していると述べています。そのためにこれまでの貧困理論を顧みる作業を行っています。シチズンシップによる社会的参加と「~への自由」論を取り入れ、労働の権利を反映させるには社会的排除論が重要だとしています。しかし、貧困理論が社会的排除へと変化したというには説得力は乏しく、社会的孤立論との関わりや、そもそも社会的排除とは何かの議論が少なかったように思います。また、階級論から社会的排除論を見ていく必要性も感じました。2016/08/27
mininayo
2
現代の新しい貧困にたいしては、タウンゼントの相対的貧困の理論ではなく、社会的排除理論が有効であるというのが著者の主張である。結局は「福祉から就労へ」とかワークフェアと呼ばれるような現在の福祉改革を擁護する議論でしかない。論理の飛躍、論理的不整合が多々見られる議論であり、説得力に欠ける。2016/08/03