内容説明
「美しい国、日本」には、「火事場泥棒」は存在しない?―大災害後、どのような条件があれば犯罪が抑制され、どのような条件があれば犯罪が促進されるのか?実証的な研究の蓄積のなかで、理性的で適切な犯罪対策を模索する。3・11を含む国内外の大災害と犯罪、さらには原発問題と企業・環境犯罪について、学際的に調査・研究した日本ではじめての試み。
目次
第1部 大災害と犯罪(大災害後の犯罪;阪神・淡路大震災後と関東大震災後の犯罪現象の比較;阪神・淡路大震災後の犯罪現象;阪神・淡路大震災後の犯罪防止活動;ハリケーン・カトリーナ後のアメリカ南部の危機;東日本大震災の津波への対応は適切だったか;東日本大震災における助け合いと犯罪)
第2部 原発と企業・環境犯罪(犯罪学からみた原発事故;経済・企業犯罪研究からみた福島原発事故;地震・断層研究からみた柏崎刈羽原発の危険性と福島原発事故;原発訴訟弁護団からみた浜岡原発の危険性と福島原発事故;福島原発事故と刑事責任)
近未来の大災害と犯罪に備える
著者等紹介
斉藤豊治[サイトウトヨジ]
1942年生。京都大学大学院法学研究科博士前期課程修了。現在、大阪商業大学経済学部教授・甲南大学名誉教授・弁護士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
新橋九段
1
分析が少々甘いというか、結局はっきりした結論が出ないまま終わる章が多いような印象。2020/06/12
Hisashi Tokunaga
1
抽象的な事例が多い。刑事特別法分野もさることながら、刑事法の分野での判例があまり形成されていないのだろうか。大震災の災中・後にもっと刑法犯罪が多発したかと思うのだが、少なかった事が美談の総括をする論者もいてあれぇだった。2014/02/03
てくてく
0
阪神大震災や3.11大震災、福島の原発問題、アメリカのカテリーナといった大災害発生時にどのような犯罪が発生したか、あるいはそういう大震災発生時に犯罪を予防するためには何が必要か、ということに関する論文集。2013/10/09